古くなった顧客情報を更新したい!その手立ては?
――「一度登録した顧客情報が更新されず、最新のペルソナを把握できない」という課題をよく耳にします。この課題を解消する秘訣を教えてください。
梅澤:単価が高く、顧客とのエンゲージメントが成約に大きく影響する商材においては、顧客情報を定期的にブラッシュアップする必要があります。お勧めの方法は、ロイヤルティの高いユーザーだけでコミュニティをつくって、彼らにインタビューやアンケート調査をすることです。

飯島:顧客の性別や年齢といったデモグラフィック情報の更新には、キャンペーンを実施して参加登録の際にアンケートフォームに回答してもらう方法が、王道ではありますが最も有効ではないでしょうか。
橋本:まとめると、顧客のデモグラフィック情報はキャンペーンやイベントを通じて入手しつつ、さらに詳細な情報が必要であれば顧客の行動履歴から推察する──これで、一度登録した顧客情報が更新されない問題は、ある程度解決できると思います。
曜日や時間の最適化が開封率アップの鍵
――今なお有効なチャネルにメルマガがありますが、このメルマガの開封率を上げるために有効な方法を教えてください。
橋本:まず、顧客ごとに配信する「曜日」や「時間帯」を変えてみることをお勧めします。私が以前に支援したことのあるアパレル企業では、一斉配信していたメルマガの配信日と配信時間を、AI/MLを活用して最適化してみたところ、開封率が最大で20%以上改善されました。
また、メール内にパーソナライズされたレコメンド枠を設けておくのも効果的です。これも、先のアパレル企業で実践してみたところ、ECサイトへの遷移率やCVRが大きく向上しました。
飯島:一方、配信数が多いため事前にユーザーへ通知していた時間までにメールを送信し切れず、翌日まで延びてしまった事例がありました。その結果、オプトアウトが増えてしまったのです。ユーザーの迷惑にならない時間にきちんと送り切れるように設計することも重要です。

飯島:開封率を上げるためには、ユーザーの行動をトリガーとした配信が効果的です。たとえば、特定のページを訪れたユーザーに対して関連情報をプッシュ配信するなどです。
梅澤:配信時間をユーザーごとに変えてみるのも良いですが、定時に配信される情報がユーザーから重宝される場面もあります。私が以前とあるメディア企業に在籍していた際、金曜日の決まった時間に、週末のおすすめ番組をまとめたメールを配信していたのですが、このメールが金曜日に来ることを楽しみにしてくれていた人が一定数いたのです。
橋本:BtoBマーケティングにおいては、昨今メールが読まれにくい傾向にあるため、SlackやLINEなども活用してみましょう。その際、各チャネルの既読率や開封率をスコアリングし、配信方法を最適化することも忘れずに。また、同一情報の二重配信を避ける仕組みも作っておいてください。