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D2C企業と探る、BX(ブランド体験)の可能性

「内輪で議論するよりユーザーの声を聞く」アサヒビールのD2C「THE DRAFTERS」の戦略

 Webが生活の一部になったことで消費者の興味・関心は細分化され、単一のメッセージを広く発信するだけでは消費者を動かすのが難しくなってきた。多様性を当たり前に受け入れ、自分らしさを尊重する「Z世代」はその傾向が顕著だ。この状況でマーケティングの課題を解決し、売上拡大に必要な概念「BX(Brand Experience:ブランド体験)」をテーマに、wevnal代表の磯山氏が各社の考え方や取り組みを伺う連載。第11回はアサヒビールのD2Cサービス「THE DRAFTERS(ドラフターズ)」を立ち上げた新規事業部 次長 兼 デジタルマーケティング部 担当部長の西村拓哉氏との対談の後編をお届け。同サービスのコミュニケーションやローンチ後の反響を伺います(取材:2023年6月時点)。

内輪で議論するよりユーザーの声を聞けばいい

磯山:ユーザーさんとのコミュニケーションやつながり方で大切にしていることはありますか?

西村:「ドラフターズDAY」という150名規模のリアルイベントを、半年に1回東京や大阪で開催しています。我々が地方に行って会員さんと交流するミートアップも始めました。会員さん同士でも楽しく乾杯できるということで、非常に喜んでいただいています。

 その参加者の中に、いつも家庭で飲んでいる親子が揃って来てくれたり、20代の会員が友だちを連れて参加して楽しんでくれていたり、サービスとして会員同士で乾杯をする機会を提供できていることにとても喜びを感じます。

アサヒビール株式会社 新規事業部 次長 兼 デジタルマーケティング部 担当部長 西村 拓哉様
アサヒビール株式会社 新規事業部 次長 兼 デジタルマーケティング部 担当部長 西村 拓哉氏

磯山:ユーザーさんとはどんな話をするんですか?

西村:「どのように使っていますか?」「困ったことはありますか?」「今度こういうことをやろうと思うのですが、どう思いますか?」など、せっかく直接つながったのですから、お客様の生の声を聞くようにしています。

 施策を打つ時にはまずデータをBIツールで可視化し、仮説を立ててチーム内で議論するのですが、リアルイベントがあるならば直接お客様に聞いてしまいます。生の声を持ち寄ることで、その仮説が正しいという自信が持てるんです。

 それにより施策の優先順位も決められますし、実行したらデータを取ってどこに響いたかを確認し、次の仮説を立てる、というサイクルを回していけます。

お客様とのコミュニケーションは財産になる

磯山:ユーザーの生の声は、仮説の強力な裏付けになりますもんね。

西村:やはりリアルイベントに参加してくれる人や限定商品を買ってくれる人はLTVが高いんですよ。そういう人たちに何が求められているのかを把握し、共創してサービスを作り上げたいと思っています。

「ドラフターズDAY」開催の様子
「ドラフターズDAY」開催の様子

磯山:サービスに声が反映されれば、よりファンになっていくという。

西村:今年の5月に発売した「今日も青空の下であなたと一緒に幸せの刻」という商品は、商品名やラベル含めて会員さんのアイデアなんですよ。「ドラフターズアカデミー」と銘打って、まず会員さん自身のわくわくすることをベースに商品アイデアを出してもらい、商品名とラベルのイメージを描いてもらった上で、それを商品化しました。

磯山:こう言うと語弊があるかもしれませんが、大手メーカーがやる施策とは思えないくらい、顧客ファーストなんですね。

西村:お客様のニーズやペインに対して、我々がどう役立つことができるのか。次にどんな価値が期待されていくのか。お客様とのコミュニケーションを重ねることでそれらの知見を高められるので、お客様と直接つながれること自体が我々の財産だと思っています。

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この記事の著者

磯山 博文(イソヤマ ヒロブミ)

株式会社wevnal 代表取締役 2008年大手インターネット企業に新卒で入社し、メディアレップ事業、新規事業開発に携わる。2011年4月に株式会社 wevnal を創業し、LTV最大化を実現するBXプラットフォーム「BOTCHAN」を展開。累計導入社数は600社を超える。 12期目を迎えた2021...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/10/02 07:30 https://markezine.jp/article/detail/43563

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