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【特集】事業フェーズ×組織規模で見る「BtoBマーケティング」

【BtoB組織改善の一手】マーケ・営業・CSの全体最適を図る、ビジネスイネーブルメントとは

ビジネスイネーブルメントとは?

──「セールスイネーブルメント(継続的に成果を上げられる営業組織を作るための、人材育成・組織強化に向けた取り組み)」なら見聞きしたことがある方もいるかもしれませんが、「ビジネスイネーブルメント」とはどういったものですか?

 セールスイネーブルメントは主に営業組織を対象にした考え方ですが、ビジネスイネーブルメントでは営業組織だけでなく、マーケティングとカスタマーサクセスも含めた全体最適を目指します。グローバルの一部のスタートアップでは、セールスイネーブルメントが部署として設けられていたり、近年はそれが発展して、マーケティングやカスタマーサクセスの領域もカバーされるようになっていたりします。

 改めて、ビジネスイネーブルメントを一言で説明すると、「事業戦略を理解した上で、定性・定量データを基にマーケティング〜営業〜カスタマーサクセスの全体をマネジメントする部署や役割」です。サッカーチームで例えると、戦略を立てて方針を示す監督が事業責任者やCMO、戦略を踏まえてデータに基づきその場その時で戦術を指示しながらディレクションするコーチがビジネスイネーブルメント、プレーヤーが組織のメンバーといった具合ですね。少しイメージできたでしょうか。

ビジネスイネーブルメントの主な役割

1.顧客解像度の向上

 定性・定量データを基に顧客理解を深め、各チームに共有することで、顧客課題に対する解像度を組織全体で引き上げる

2.ビジネスプロセスの改善

 定性・定量データから、マーケティングと営業活動の効率改善およびアロケーションの最適化やリスク管理を行う

3.データ・テックの活用推進

 顧客や自社のビジネス活動に関するデータ整備やビジネスプロセスを効率化するテック活用を推進する

ビジネスイネーブルメントの概念図。顧客や自社の活動について、定量・定性データを蓄積・管理・分析し、戦略や組織の「全体最適な意思決定」につなげる(タップで画像拡大)
ビジネスイネーブルメントの概念図。顧客や自社の活動について、定量・定性データを蓄積・管理・分析し、戦略や組織の「全体最適な意思決定」につなげる(タップで画像拡大)

BtoBマーケは全体最適が必須条件

──どのようなスキルや経験のある人が、ビジネスイネーブルメントを担当するのがよいですか?

 ビジネスイネーブルメントがマーケティング〜営業〜カスタマーサクセスのすべてに精通している必要はありませんが、自社がビジネスをしている市場や顧客の理解、自社のビジネスプロセスの理解が深いことは大切です。結果として、顧客接点が多い営業からビジネスイネーブルメントを担うメンバーを出すケースが多くなっています。

 優れた戦略があっても、それを実行するチームをディレクションできなければ、ビジネスは成功しません。特にBtoBでは組織間の連携が求められますから、全体最適化に向けた組織のマネジメントは非常に重要なのです。どんな組織規模であっても、ビジネスイネーブルメントを設置することで得られるメリットや可能性はとても大きいと感じています。

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この記事の著者

松崎 美紗子(編集部)(マツザキ ミサコ)

1995年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、新卒で翔泳社に入社。新入社員として、日々奮闘中です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/09/27 09:30 https://markezine.jp/article/detail/43567

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