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第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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マーケティングの近未来

「検索」の終焉と「生成」の曙光。いま、マーケティングの生産性が飛翔するとき

 米国大手IT企業・プラットフォーマーを数社にわたり経験してきた著者が、ジェネレーティブAIが引き起こす生産性革命の未来について記す。

ChatGPTが引き起こす生産性革命

「この半年で、Googleをほとんど使わなくなってしまった」
「さすがに、それは言い過ぎじゃない?」

 情報を検索することを「ググる」という。一般的に、かなり前から、「動詞」として定着した。英語で「just Google it」といえば、おそらく、世界中で意味が通じる。情報を検索する、何か調べ物をする、そのためには、Googleが必要だ。そう思っていた。だが、それは、固定観念であり、私の狭い頭の中だけの話だった。「井の中の蛙大海を知らず」ということだ。

 検索といえば「ググる」。その狭い箱の世界の外に、未知の領域があった。誰もチャレンジしていない、前人未踏のフロンティア。ChatAIを一般化しようと無謀にもチャレンジしたのは、OpenAI。ChatGPTの登場、そして、それに続くMicrosoftのCopilot。彼らは、「井の中の蛙」ではなかったのだ。

 これは、生産性革命だ。まさか、Microsoftがこんなチャレンジをしてくるとは。IT業界でも驚きの声が多い。一方で、シリコンバレーの知り合いの中には、数年前からOpenAIに注目していた人もいる。注目する人がいたからこそ、MicrosoftもOpenAIに対する巨額の出資を決めたのだろう。

 人は検索する。それは、今後も変わらない。だが、情報を検索するのは、何かの目的があるからだ。仕事なら、情報を検索し、資料を作成する。プライベートでお勧めのレストランを探す、その目的はレストラン予約だったりする。つまり、検索は「手段」であって、「目的」は別にある。

 たとえば、日本語で情報を検索し、それを英語の資料にする。プロンプトの使い方がうまくなれば、かなり高いレベルで、自分の目的にたどり着く。このとき、生成AIのほうが圧倒的に速く便利である。ChatGPTを使ってもよいし、Microsoftの「New Bing」ならGPT-4を無料で使える。Google検索では、「日本語で情報を検索し、それを英語の資料にする」ところまでは、そう簡単にたどり着かない。

 人は検索する。だが、それだけでは、すべての目的をクリアできない。それは、当たり前のことだ。もちろん、ChatGPTでもNew Bingでも、すべての目的をクリアできる訳ではない。しかし、仕事で使い始めると、自分の業務効率が上がること、生産性革命が起こっていることを実感する。

 「この半年で、Googleをほとんど使わなくなってしまった」と彼はいった。私は、「さすがに、それは言い過ぎじゃない?」と脊髄反射的に答えた。だが、彼の話は、延々と続いた。はじめは、ChatGPTから入り、今は、スマホアプリのNew Bingにハマっているらしい。

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「検索」は手段にすぎない

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この記事の著者

ヴァイオレット・エヴァーインディゴ(ヴァイオレット・エヴァーインディゴ)

1990年代に米国西海岸に留学し、シリコンバレーで就職。1998年のGoogle誕生に衝撃を受け、ネット広告・デジタルマーケティング領域に職域を転換。2000年代初めに帰国。米国大手IT企業・プラットフォーマーを6社経験。デジタルマーケティングのコンサルティングを生業とする。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/10/18 09:00 https://markezine.jp/article/detail/43762

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