ChatGPTが引き起こす生産性革命
「この半年で、Googleをほとんど使わなくなってしまった」
「さすがに、それは言い過ぎじゃない?」
情報を検索することを「ググる」という。一般的に、かなり前から、「動詞」として定着した。英語で「just Google it」といえば、おそらく、世界中で意味が通じる。情報を検索する、何か調べ物をする、そのためには、Googleが必要だ。そう思っていた。だが、それは、固定観念であり、私の狭い頭の中だけの話だった。「井の中の蛙大海を知らず」ということだ。
検索といえば「ググる」。その狭い箱の世界の外に、未知の領域があった。誰もチャレンジしていない、前人未踏のフロンティア。ChatAIを一般化しようと無謀にもチャレンジしたのは、OpenAI。ChatGPTの登場、そして、それに続くMicrosoftのCopilot。彼らは、「井の中の蛙」ではなかったのだ。
これは、生産性革命だ。まさか、Microsoftがこんなチャレンジをしてくるとは。IT業界でも驚きの声が多い。一方で、シリコンバレーの知り合いの中には、数年前からOpenAIに注目していた人もいる。注目する人がいたからこそ、MicrosoftもOpenAIに対する巨額の出資を決めたのだろう。
人は検索する。それは、今後も変わらない。だが、情報を検索するのは、何かの目的があるからだ。仕事なら、情報を検索し、資料を作成する。プライベートでお勧めのレストランを探す、その目的はレストラン予約だったりする。つまり、検索は「手段」であって、「目的」は別にある。
たとえば、日本語で情報を検索し、それを英語の資料にする。プロンプトの使い方がうまくなれば、かなり高いレベルで、自分の目的にたどり着く。このとき、生成AIのほうが圧倒的に速く便利である。ChatGPTを使ってもよいし、Microsoftの「New Bing」ならGPT-4を無料で使える。Google検索では、「日本語で情報を検索し、それを英語の資料にする」ところまでは、そう簡単にたどり着かない。
人は検索する。だが、それだけでは、すべての目的をクリアできない。それは、当たり前のことだ。もちろん、ChatGPTでもNew Bingでも、すべての目的をクリアできる訳ではない。しかし、仕事で使い始めると、自分の業務効率が上がること、生産性革命が起こっていることを実感する。
「この半年で、Googleをほとんど使わなくなってしまった」と彼はいった。私は、「さすがに、それは言い過ぎじゃない?」と脊髄反射的に答えた。だが、彼の話は、延々と続いた。はじめは、ChatGPTから入り、今は、スマホアプリのNew Bingにハマっているらしい。