Live Searchの公式ブログによると、MicrosoftはPowersetの経験豊かなエンジニアと研究者を高く評価しており、これらの人材が今回の買収の大きな要因のひとつであることを明らかにしている。
現在主流となっているキーワード検索では、1回の検索でほしい情報が見つからないことが多く、結局何度も検索やクリックを繰り返すことになる。質問にふさわしい答えを見つけるには、質問の意図と検索対象となるウェブコンテンツの文脈を正確に理解したうえで、マッチングする必要がある。
Powersetは、その検索技術を実証するために、オンライン百科事典Wikipediaとデータベースfreebaseを検索対象として、キーワード検索や質問に答えるサービスを提供している。たとえば民主党の大統領候補であるオバマ氏の年齢をたずねる文章を入力すると、生年月日とそこから計算した年数を即答し、関連するWikipediaの記事のリストを表示する。
このようにすっきりとした回答が表示できない場合もあるが、たとえばオバマ氏のプロフィールが知りたい場合に「オバマ」とだけ入力すると、コンパクトにまとめられたプロフィールページが表示される。従来のキーワード検索では、まず検索結果ページが表示されてから利用者がクリックしなければ表示されない内容がズバっと表示されるのは、それだけでもかなり快適だ。
Microsoftは、Powersetが持つ自然言語文検索技術によって、自社の自然言語処理技術を補う方針。Yahoo!買収案はまだくすぶり続けているが、“Google一強時代”ともいえる検索市場で少しでもその差を詰めるために、Microsoftにとって次世代検索サービスの開発は急務といえる。
また、こうした検索サービスの品質が向上すれば、人々は現在人気を集めているQ&Aサイトに行くことなく、お気に入りの検索エンジンで直接質問文を入力することになるだろう。
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