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J1昇格の裏で築いたファン・サポーターとの絆。ジュビロ磐田が取り組むコミュニティマーケティング

半数は県外から参加。クラブの価値、資産が見えた1年

――コミュニティを立ち上げた後、活性化させるのが大変な印象があるのですが、コミュニティを活性化させるために何か意識していたことはありますか。

 意識していたことは2つで、1つは頂いた意見を出来る限りきちんと形にすること。もう1つは、温かみのあるコミュニティ運営をすることです。

 事前に用意していたプロジェクトやコンテンツ以外にも、メンバーの皆さんから様々なプロジェクトやコンテンツの要望を頂きました。その中で、「3月に卒業生向けのイベントを開催してほしい」というご意見がありました。「コロナ禍の影響もあり、今年の卒業生の多くは学校行事の多くが延期・中止になっているから」と。そこで、ジュビロ磐田としても何か楽しめるものを作れないかと早急に検討し、3月25日(土)のホームゲームにて卒業生向けのイベントを行いました。

卒業イベントの様子
卒業イベントの様子

 イベントでは、卒業生向けのフォトスポットや選手サイン会、ピッチに入って記念撮影ができる体験などをご用意しました。ご提案いただいた方からも感謝の声を頂きましたし、クラブ内外で反響がありました。頂いたご要望すべてに応えることはどうしても難しいのですが、可能な限り形にしていきたいと考えています。

 2つ目の温かみのあるコミュニティ運営については、自分自身が顔出ししてコミュニケーションを取るようにしているのも取り組みの1つです。「キックオフミーティング」の際にりんたろー。さんに「江端さんは委員長だね!」と言っていただいたことをきっかけに、自分のユーザー名を「委員長」に変え、定例会を「学級会」と名称変更するなど、できるだけ親しみを持って接してもらえることを意識しました。試合日にスタジアムで「委員長!」と声をかけていただくことも増えましたね。

――ここまで取り組みの内容についてうかがってきましたが、共創型コミュニティによって得られた成果を教えてください。

 今回のコミュニティには100名以上の方にご入会いただいたのですが、半数以上が県外在住の方でした。「FANTS」がアプリでも提供されていたことで、遠隔で参加しやすかったというのもあると思いますが、県外にも熱量の高いファン・サポーターの方がいることを改めて知ることができ、今後のクラブの価値・資産になると実感できました。

 また、メンバーの皆さんから声を集めるだけでなく、フロントスタッフも一緒になって頂いたご意見を掘り下げていったことで、具体的な施策や企画に落とし込むことができたのは非常に良かったと思います。

 元々の目的の一つであった「フロントスタッフがポジティブに働ける環境作り」という観点でも、スタッフがメンバーの皆さんの反応を肌で感じる中で、自分たちの仕事が生んでいる価値を実感できたと思っています。

共創はクラブの資産として今後も活かす

――今回の取り組みを通じて、得られた気づきや改善点はありますか。

 先程もお伝えしましたが、コアなファン・サポーターの皆さんの熱量が可視化でき、それが県外含めて広がっていると分かったことが大きな気づきでした。今後のクラブの大きな武器になり得ると思っています。

 一方改善点は、コミュニティを立ち上げる目的を最初に明示しきれていなかった点ですね。開始後に入会した目的を伺うと様々な声があり、その目的の違いの幅が広いことで、運営の方向性が難しいと感じることもありました。「共創」に関わる施策については、事前に実施目的を丁寧に明示することが大切だと感じています。

江端氏画像3

――最後に今後の展望を教えてください。

 ファン・サポーターの皆さんの熱量が非常に高く、「運営に携わってみたい」とまで思っていただけるのは、プロスポーツクラブならでは、そしてジュビロ磐田の大きな強みだと考えています。今後もファン・サポーターの皆さんとの「共創」を積極的に活かして、クラブの施策に反映していきたいです。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社スタジアム

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/20 10:00 https://markezine.jp/article/detail/44130

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