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MarkeZine Day 2023 Retail

1週間の売上目標を1日で達成⁉フォロワー6万人超えの社員も!資生堂に聞く、社員インフルエンサー施策

 資生堂は、2021年7月にアクセンチュアとの合弁会社である資生堂インタラクティブビューティー株式会社を設立。活動のひとつとして「販売員のデジタル化・DX化」に取り組んでいる。デジタルを専任とする美容部員は、オムニPBP(パーソナルビューティーパートナー)と呼ばれ、約40名の社員が自らデジタルで発信。中にはフォロワー6万人超えの社員インフルエンサーも在籍している。MarkeZine Day 2023 Retailでは、DX本部 オムニエクスペリエンス推進部 オムニPBP企画グループの河原由香理氏が、社員インフルエンサーの活動やライブコマースでの取り組みについて解説した。

「社員インフルエンサー」とはどのような活動か

 オムニPBPの活動は主に「ソーシャルメディア」「ライブコマース」「カウンセリング」「セミナー」で分類され、その中でも「ソーシャルメディア」では社員インフルエンサーとして、個人アカウントや会社のグループアカウントを運用している。

 特に個人ではInstagram・X(旧Twitter)・TikTokのアカウントが運用されており、メンバーが各自でテーマを決め、自身で撮影・編集・薬機法の確認を行い、投稿している。

 投稿内容にはデートメイクやメンズスキンケアといったものもあれば、撮影場所も会議室から自宅まで多種多様。オムニPBPそれぞれのパーソナリティーを生かして、様々なテーマやカラーのある投稿がなされている。

 活動に賛同するメンバーを社内公募することで集まったオムニPBPは、20代から40代までの男女が約40名強おり、そのうちフォロワー1万名以上のメンバーは7名在籍。下記のグラフからもわかる通り、社内インフルエンサーによる「個人アカウント」は顕著に伸びている。

 「最初はなかなか伸びず心配になることもあったが、継続することで大きく伸ばせた」と、河原氏は振り返る。

「どんな投稿だとフォロワーが喜んでくださるか、フォロワーやインプレッションが増えるのかを研究していき、試行錯誤を通じて自分なりの成功方法を見つけていくことで、成長していったと思います」(河原氏)

ライブコマースも、試行錯誤しながら成長

 資生堂は2021年4月から「ワタプラNight!」と呼ばれるオウンドECのライブコマースを運営しており、これまで累計150回以上のライブが配信されてきた。ソーシャルメディアと同様、企画・台本作成・出演・配信・PDCAの全てをオムニPBPが担当している。

 ライブはカメラに映る演者だけでなく、映像確認やコメント返信をするメンバーなど、裏方も含めたチームプレーで成り立っている。それらもソーシャルメディアと同様にどうやったらお客様にとって本当に見やすいもの・楽しいものになるかを常に意識した試行錯誤がされてきた。

 その試行錯誤には画角や説明のリハーサルだけでなく、お客様のコメントが見やすいようにスマートフォンの置く位置や、演者の椅子は高さを変えるといった、ライブに映らない部分での工夫も含まれている。

 売上はECのプロモーションの有無でも大きな上下はあるものの、総視聴者数・売上ともに全体的な右肩上がりに成長。うまくPDCAが回っている。

「時には1週間の目標を1日で達成したライブもあり、ライブコマースで連携しているEC事業部からも評価されました。この時は1年間続けてきた効果があったなと実感しました」(河原氏)

資生堂インタラクティブビューティー株式会社<br />DX本部 オムニエクスペリエンス推進部 オムニPBP企画グループ 河原 由香理氏
資生堂インタラクティブビューティー株式会社
DX本部 オムニエクスペリエンス推進部 オムニPBP企画グループ 河原 由香理氏

 ライブコマースが成功した要因は主に2点あり、商品に対する思いや、実際に使って良いものであることがお客様に伝わって視聴者数や実績につながった点。加えて、演者であるオムニPBPは普段からフォロワーとコミュニケーションしているため、フォロワーもオムニPBPの飾らない人柄やパーソナリティーを理解し好んでくださっていることから、お客様も一緒になって盛り上げてくださるような雰囲気があった点が挙げられている。

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この記事の著者

宮野 圭(ミヤノ ケイ)

コンサルティングファームにてデータアナリティクスを通じた業務改革に従事する傍ら、ライターとしても活動。エンタメ領域やテクノロジー領域のメディアにて執筆経験あり。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/02/28 09:00 https://markezine.jp/article/detail/44213

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