広告配信のターゲット層を広げることができた
──分析結果を踏まえ、保険加入を促すための有効なアプローチも提案したそうですね。
宮崎(三井住友カード):保険契約の乗り換え目的で加入する50~60代男性への訴求ポイントとして、定年後もお手頃価格で保険に加入できる点を考案しました。保険の販売代理店におけるアプローチを継続していただきつつ、追加施策としてその方々がよく利用する場所におけるカタログ配布強化などのアプローチをご提案しました。
宮崎(三井住友カード):一方、子育てをする30代男性はWebサイトを見ながら保険を比較検討する方が多く、日頃からECサイトの利用も活発なため、子育てや節約、教育に関連した内容で広告案をご提案しました。
──提案内容を受けて、既に取り入れた施策や実践したことはありますか。
本島(メディケア生命):外部委託先にペルソナの情報を共有した結果、クリエイティブの制作がこれまでよりスムーズに進むようになりました。示していただいたペルソナを踏まえて動画広告を制作/配信したのですが、これまでアプローチできていなかった層にまでターゲットを広げることができたと思います。具体的な成果についてはこれから検証を進めるところです。
石垣(メディケア生命):今までは「妻が夫の保険も検討するのではないか」という仮説のもと、動画広告では女性向けのクリエイティブしか作っていなかったんです。今回の分析結果を踏まえて男性向けのクリエイティブも用意し、ターゲットを広げることができました。
購買に至るまでのプロセスにも着目した分析を
──今回の分析結果を基に、今後どのようなチャレンジをしていきたいとお考えですか。メディケア生命の展望をお話しください。
石垣(メディケア生命):限られた人数でマーケティング活動を行っているため、業務をなるべく圧縮して考える時間を捻出する必要があります。今後はクリアになったペルソナを基に、クリエイティブ制作業務の効率をさらに向上していきたいです。
川村(メディケア生命):クリエイティブを内製する話も出ているため、今回明らかになったペルソナを踏まえて、ターゲットに刺さるチラシやバナーを作ることができるようになりたいです。
本島(メディケア生命):子育て関連のサイトやサービスなど、未開拓のチャネルにもチャレンジしたいですね。
──Custella Researchを通じて、今後チャレンジしたいことや提供したい価値をお聞かせください。
宮崎(三井住友カード):保険業界に限らず、コロナ禍を経て消費者の行動や意識は大きく変わったと思います。キャッシュレスデータだけでは捉えることのできない意識のデータも用いながら、クライアントの顧客理解やCRMをサポートさせていただきたいです。
村上(三井住友カード):消費の結果だけに目を向けるのではなく、そこに至るまでのカスタマージャーニーも考慮しながら分析や打ち手のご提案をするべきだと考えています。メディケア生命様とのお取り組みで改めてそのことを実感しました。今後も様々な業種業態のクライアントに消費データ×意識データを活用した包括的なご提案をしていきたいです。