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短期間でCVRが2.5ptアップ!ベーシックがShirofuneで実践する「LTV×広告運用」

 「リード獲得数ではなく売上を最大化する広告運用を行いたい」。これはデジタル広告を出稿する全ての企業に共通するニーズではないだろうか。しかし、管理画面上のリード獲得数とCRMや自社データベースにある売上の情報は分断され、それらを紐づけて成果を可視化する難易度の高さと工数の多さから、売上に対する広告の効率が十分に分析できない企業も多いだろう。ベーシックでは、2024年1月に広告運用をインハウス化するとともに、運用の省力化とLTVでの広告運用へのシフトに注力し始め、既に成果が出始めている。その立役者がShirofuneが提供する広告運用ツール「Shirofune」だ。新機能「LTV運用 forリード」を使ってLTVに基づいた広告効果計測と自動運用を可能にする、ベーシックの志村知里氏、Shirofune代表取締役の菊池満長氏に話を聞いた。

複数の広告チャネルで新規顧客・潜在顧客の発掘を狙う

MarkeZine編集部(以下、MZ):これまでの簡単なご経歴をはじめ、現職でどのような業務やミッションを担っていらっしゃるのか、お話しください。

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株式会社Shirofune 代表取締役 菊池満長氏
株式会社ベーシック PLG事業部 マーケティング部 マーケティンググループ 志村知里氏 

志村:新卒で電通デジタルに入社し3年間に亘ってGoogleやYahoo!の広告運用を経験しました。その後、自身のスキルセットをWebマーケティングの全領域に広げていきたいと、株式会社ベーシックに転職しました。現在は広告運用だけではなく、戦略的な施策の立案から実行までをチームで行っており、中でもフォーム作成ツール『formrun(フォームラン)』の新規顧客集客に注力しています。

菊池:私はインターネットの広告代理店で、広告運用の成果を最大化するための組織やシステムづくりに取り組んでいました。その後、熟練の広告運用者の業務を誰もが再現できるようにしようと、2014年に株式会社Shirofuneを立ち上げ、現在までツールの開発と経営の両面に携わっています。独自のアルゴリズムで成果を最大化することに我々のコアな価値があると考え、日々アルゴリズムの改善に取り組んでいます。

MZ:ベーシックでは『formrun』のマーケティング戦略においてデジタル広告を活用されていると伺いました。広告の出稿目的、マーケティング戦略における役割は何でしょうか。

志村:新規顧客獲得の目的が強いです。顕在的なニーズを持つ顧客に向けてはリスティング広告を以前から活用してきました。加えて近年では、潜在的なニーズを持つ顧客へのアプローチも必要と考え、そのための認知施策も行っています。幸いなことに、顧客の傾向はデータとして蓄積されてきたので、ターゲットに近い顧客に届けられるように設計を行い、Facebook広告やTikTok広告を運用しています。

リード獲得ではなくLTVの最大化を目指す

MZ:2024年1月に広告運用自動化ツール『Shirofune』を導入し、その新機能である「LTV運用forリード」を正式リリースに先がけて活用されたと伺いました。どのような狙いや背景で導入に至ったのでしょうか。

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志村:ノウハウの蓄積や施策実行の迅速化を目的に、広告運用をインハウス化する動きが始まっていたのですが、広告費の予算管理やレポート集計など、工数が課題になっていました。そんな時に弊社代表を通じた紹介で『Shirofune』を知り、課題解決にダイレクトにつながるツールだと感じました。

MZ:工数削減以外に期待した部分はありますか。

志村:「LTV運用forリード」の機能が備わっていることで、私たちが目指している「LTV基準の広告運用」にマッチするのではと感じました。

 『Shirofune』導入前は、リード獲得までの流入広告パラメータ情報と、獲得後にトライアルや有料化に進んだかという情報を手作業で組み合わせ、有料化までの費用対効果を可視化していました。集計がとても大変で、月1回が限界、かつ有料化の先にある解約されるまでにいくらの売上を生んだのかというLTVの情報を紐づけることまではできていませんでした。そのため、LTVを最大化するための広告運用をリアルタイムで行っていくというのは不可能な状態でした。

 今回の機能で、LTVを最大化するための仕組みづくりができるのではないかと期待しました。

独自のアルゴリズム×売上データでLTV予測値から広告予算比を自動で最適化

MZ:菊池様から広告運用自動化ツール『Shirofune』と「LTV運用forリード」の概要をお聞かせください。

菊池:『Shirofune』は前述の通り、「熟練した広告運用のプロだったらこういう分析や調整をする」を丸ごと再現した広告運用自動化ツールです。Google広告やMeta広告など、主要な広告媒体の新規広告配信設定から予算管理、自動入札最適化、運用改善施策の提案と実行、レポート作成・分析まで自動化し、手間なくプロの成果が得られます。

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 広告を最適化する上で、どのキャンペーンや広告がどれくらいの成果を上げているかという情報は非常に重要になりますが、たとえばWebサイトでリードを獲得し、その後のセールス活動を通じて最終的な成約や売上につなげていくような業態では、元来成果として捉えられるのはリードの獲得までで、企業の最終的なゴールである売上については加味できておりませんでした。

 そのためマーケティングチームでは売上につながらない質の低いリードであろうとただ安くリードを獲得することを目指さざるを得ず、結果として実は売上の最大化とは逆の方向に最適化してしまっていたり、それに伴いセールスチームとのコンフリクトが起きてしまっているケースも多く見られました。

 「LTV運用forリード」はそういった課題を解決するために開発されています。基本的な仕組みとしては、各媒体プラットフォームに付与されている広告ごとのパラメータ情報を独自アルゴリズムで自動解析し、CRMや自社データベース内の成約や売上のデータと、その成約や売上を発生させたキャンペーンや広告を紐づけることで、各キャンペーンや広告ごとのLTVを自動で可視化するものになります。

 これは一見頑張れば同様の仕組みを開発できそうに見えますが、各広告プラットフォームに様々な方法で設定されているパラメータを自動で正しく解析することは非常に困難です。USでプロダクトの営業をしていても同様の話を聞いたことがないので、おそらく世界で唯一Shirofune社のみが実現しているテクノロジーなのではと思います。

MZ:新機能「LTV運用forリード」は、広告運用業務においてどんなことを可能にするのでしょうか。

菊池:二つのことが実現可能になります。

 一つ目は、各媒体やキャンペーンに対するいくらの広告投資が実際にいくらの売上に繋がったかという広告投資に対する実リターンを可視化すること。二つ目は、過去のデータからキャンペーンごとの「予測LTV」(1リード獲得が最終的にいくらのLTVになりそうかを予測した数値)を算出し、複数媒体を横断してLTVを最大化するための日々の予算配分を自動で調整することです。

 LTVというのは性質上一定期間が経たないと数字が固まってきません。しかし、一定期間経過後の実売上を可視化しているだけでは日々成果を改善するための運用調整には利用できないため、「予測LTV」を算出して実際の日々の運用改善に活用するのが非常に重要になります。

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「LTV運用 forリード」によりレポーティング/運用管理が劇的に効率化

MZ:ベーシックでは現在、どのように「LTV運用forリード」を活用しているのでしょうか。

志村:「LTV運用forリード」の機能では優先したいコンバージョンを設定し、それに基づいた運用を行うのですが、第1優先コンバージョンとして「予測LTV」を置き、第2優先コンバージョンとして今私たちが特に追っている「(顧客によるフォームの)本作成完了」を設定して動きを見ています。

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優先コンバージョンとして設定できる成果地点の例(クリックすると拡大します)

導入から間もなくCVRが2.5ptアップ 予測LTVの把握で迷いのない運用に

MZ:導入後、広告運用体制としてどのような変化がありましたか。

志村:LPOや広告文の改善はここ2年ぐらいでやりきって、私が入社した時に比べてCVRも2倍以上になっている状況でした。あとはいかにうまく管理し、CV数を増やしていくかが課題だったのですが、そこをすべて『Shirofune』がカバーしてくれています。打ち手を出し尽くした段階で導入しても効果がありますし、逆にこれからという場合でも大いに示唆が得られるのが『Shirofune』だなと思います。

 インハウスは属人性が高いことが難点ですが、広告のことがまだよくわからないメンバーでも、『Shirofune』があればデータの集計から広告運用まで行えます。引き継ぎもしやすいですし、作業そのものよりも売上を立てるための概念的な話をする余裕ができ、アウトプットの質も上がっていると感じます。

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MZ:予測LTVがわかることで、運用方針を改めることはありましたか。また、現時点での定量的成果があればお教えください。

志村:『Shirofune』導入直前が、チームとして追う目標が変更になったタイミングでした。ただ最初は、それまで重視していた無料登録数に加えて有料化数も追うという、どっちつかずの運用になっていました。

 「LTV運用forリード」導入後は、LTVが可視化されたことで、広告費のバランスの問題点が一目瞭然になり、予算配分が大きく変わりました。結果として「無料登録数が減っていても最終的に目標達成できていれば問題ない」という方針にチェンジし、広告運用自体も迷わず行えるようになりました。

 『Shirofune』を導入したからこそできた方針転換です。KPIが変わると、当然見るべきデータを整える必要があるのですが、『Shirofune』のおかげで迅速にデータを確認できるようになったのです。

 導入して間もない状況ではありますが、フォーム作成完了までのCVRが2.5ptアップしています。徐々に売上も上がっていくと期待しています。

MZ:自社の売上データとの連携において苦労した点はありますか? また、連携までに期間はどれくらいかかるものなのでしょうか?

志村:自社のデータベース内にある売上データをShirofune社からいただいたフォーマットに沿うように抽出してスプレッドシートで共有するというのがこちら側での対応事項でしたが、フォーマットの項目も非常にシンプルで、社内のデータチームと連携し、スムーズに苦労なく実現できたかと思っています。

菊池:まさに連携の設計としては、ローデータに近いデータをいただいて、なるべくすべてこちら側で集計処理を完結できるような形にしているので、非常にシンプルです。

 たとえば「広告配信データと自社売上データを連携させてダッシュボードを構築する」と聞くと完了までに半年などの期間を想像されるかも知れません。本機能ではリソース状況にもよりますが、2、3週間といったスピード感で実現できるものになっており、そこも非常に画期的ではないかと思っています。

 また、それだけシンプルに実現できるようにしているため、状況によっては「無料トライアル」として本機能をご利用いただけるご提案もしています。さらには自動運用とは切り離して利用することも可能なため、たとえば広告代理店に運用は委託しているが、とりあえずLTV/予測LTVだけ可視化したいといったケースでも柔軟にご相談いただけます。

MZ:今回はBtoBのSaaSを商材とした場合の活用について伺いましたが、同機能は他にどのような業界・業態での運用効率化に期待できますか。

菊池:売上の創出の前にまずリードを獲得するというステップがあるサービスにはすべてお役立ていただけます。たとえば人材紹介では、最初に求職者からの登録があり、仕事をマッチして、転職の成約といったビジネスモデルです。ECでよく用いられるトライアルキットやサンプル請求から始まる2ステップマーケティングも含まれますので、かなり幅広い業界・業態に当てはまるといえるでしょう。

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精緻な予測を生かしてLTV運用にシフト

MZ:今後のデジタル広告運用の展望と、理想的な運用とのギャップがあれば教えてください。

志村:これまではフォーム作成完了をコンバージョンに置いたCPA運用になっていましたが、今後は『Shirofune』の「LTV運用forリード」を最大限活用し、LTV運用にシフトチェンジしていきたいですね。

MZ:Shirofune社としては、ベーシックの展望に対して、どんな価値提供をできるとお考えでしょうか。

菊池:予測の精度が上がれば、当然成果もさらに上がります。予測アルゴリズムの改善は奥が深いため、日々さらに改善を重ねていくことで、マーケターがより正しい判断ができ、自動最適化でもさらに成果が出るという状態を目指していきたいと思います。

 加えて、クリエイティブごとのLTVの違いももっと分析しやすくしていきたいですね。たとえばリードをより多く獲得しようとするためのクリエイティブは訴求を強くする傾向がありますが、その後成約やリピートに至らず、ということも往々にしてあると思います。それを素早く分析し、改善のスピードを上げていけるようにしていきたいです。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社Shirofune

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/03/14 10:00 https://markezine.jp/article/detail/44995