ポイントは「ミニマム・シンプル・早めのスタート」
MZ:メディックス×Srushで提供されるソリューションで、具体的に実現できることを教えてください。
前野:たとえば、Web広告の費用対効果が可視化できます。また、Google AnalyticsのデータとSFAやCRMを連携することで、売り上げに貢献している広告以外の流入チャネル・閲覧コンテンツも把握することができます。
BtoBの商材は検討から導入まで長い期間をかけて態度変容をしていくため、顧客が最初にWebサイトを訪れた時と実際に問い合わせする時に見たチャネルやコンテンツが異なる場合も少なくありません。そのため、行動履歴が重要です。データ連携によって、サービスの導入前、導入後の行動を可視化することで、勝ちパターンを導き出すことが可能となります。
MZ:成果につなげるポイントについて教えてください。
前野:「ミニマムから始めて徐々に広げていくこと」が大切だと思います。まずはデータ連携に取り組み、試行錯誤しながら自社に合った連携基盤を作っていくとよいでしょう。
樋口:定例会など会議体で使えるダッシュボードを一つ、作ってみることをおすすめしています。はじめに小さくマーケティング部門の目線でダッシュボードを作って運用し、営業や経営企画など他の部門へ広げていくイメージです。
データ分析プロジェクトでは多くの場合、時間やお金がかかりますし、担当者の異動や退職で本来の目的がわからなくなる場合すらあります。だからこそ、まずはミニマム・シンプルから始める姿勢が大切です。
前野:データの連携・活用は試行錯誤が必要で時間がかかる分、先行者有利な領域です。とにかく始めてみることが競合との差別化にもつながりますし、実際に走り出したからこそわかることも多いですね。
今後は「データの民主化」が重要に
MZ:最後に、今後の展望をお聞かせください。
根口:「Srush」で全社のデータ基盤を作っておけば、「どんな企業のLTVが高く、解約率が低いのか」「そういった優良企業はどのようなチャネルやコンテンツを見ていたのか」などをファクトベースで可視化できます。すると、データドリブンなカスタマージャーニーが設計できるので、精度の高い施策実行が可能になると考えます。データ基盤作りをSrush社、マーケティングの伴走をメディックスが担当することで、商談や売り上げにつながる本質的な支援をしてまいります。
前野:マーケティングとセールス/顧客データの連携が進んでいくことで、企業は顧客に対して、よりニーズのあるコンテンツの提供やコミュニケーションが可能になります。BtoBにおいても、このようなデータドリブンマーケティングが浸透していくことは、企業視点でも顧客視点でも非常にプラスだと思います。
樋口:データ活用・連携の際ポイントになるのは、多種多様なデータソースを取り込めるデータ基盤があるかどうかです。「Srush」は国内外問わず多くのデータを取り込めるよう常にアップデートしており、データを可視化・共有して全社で目線をそろえることが可能です。
私たちは「データの民主化」が今後より重要になると考え、「データを誰にとっても身近なものにする」ことをビジョンとして掲げています。
山崎:SaaSの乱立やプラットフォームの多様化によって、データ連携領域はさらに複雑になると見られます。またGDPR(EU一般データ保護規則)やCookie規制などの動きの中、自社でデータを管理する機運は一層高まるのではないでしょうか。だからこそ「Srush」のような導入ハードルが低いプロダクトを使ってミニマムでスタートし、データ活用に必要なノウハウを獲得していく形がお勧めです。
そして、データを語る際に避けられないのが生成AIです。生成AIが意識されずに日常業務に組み込まれ、当たり前のように活用される未来がすぐそこまで来ています。それに備えて今のうちからデータを集め、必要な時にすぐに活用できる仕組みを整えておくことをお勧めします。