SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

アドビのマーケターに聞く、マーケターが直面しがちな3つの壁とは

「パーソナライゼーション」を加速させるためには?デジタルマーケターが取り組むべき「収益貢献への壁」

MOpsを導入したアステラス製薬。その背景は

 国内でMOpsを設置している事例として、アステラス製薬が挙げられます。アステラス製薬の大石さんは、元々は医療機関を訪問してお薬を提案するMRの仕事をしていた方です。キャリアチェンジの機会にデジタルマーケティングの部署に移動し、現在は日本担当のMOpsとして仕事をされています。

アステラス製薬株式会社 オムニチャネル ストラテジー & オペレーションズ 大石幸太氏
アステラス製薬株式会社 オムニチャネル ストラテジー&オペレーションズ 大石幸太氏

 大石さんだけでなく、グローバルでは各地域を担当する人もおり、アステラス製薬全体でマーケティングテクノロジーを活用し、自社に適した環境を作っていく活動に取り組んでいます。

 特に力を入れているテーマが、オウンドメディア向けのコンテンツのパーソナライゼーションです。以前はコンテンツ制作に膨大な工数をかけていたものの、コンテンツを一斉に配信して、その後は放置してしまうことが常態化していました。結果、どのくらいのアクセスがあり、どのチャネルから来て、どんな効果をもたらしたのかまでの検証はほとんど実施しておらず、外部のエージェンシーに任せきりにしていたそうです。

 したがって、自社のコンテンツにおける具体的な課題分析や改善策のハンドリングを外部に託し、マーケターとしての仕事の多くが、エージェンシー管理に費やされてしまい、デジタル体験構築のライフサイクルを自社で自走できない状況にありました。この課題を解決するために実施したのが、フィールドマーケティングとMOpsの分離です。

開始後2年で、パーソナライズを大改革

 具体的には、フィールドマーケターにコンテンツのパフォーマンス分析のスキルを身につけてもらうべく、研修を重ねました。その研修内容は、マーケター自身が担当しているコンテンツを題材に分析の操作方法を学び、問題を発見するためのもの。これらは個人のスキル獲得だけでなく、組織へのプロセスの定着を促すことが狙いでした。

 また、お客様に寄り添ったコンテンツをお届けするパーソナライゼーションにも着手。属性軸と行動軸の2つを掛け合わせてセグメントを作り、それぞれに合わせたコンテンツを配信するようにプロセスを変更します。今までの一斉配信と比べると大きな変化だったと言えるでしょう。コンテンツ、データ、カスタマージャーニーの設計と最適化をMOpsとフィールドマーケターと協業して進めることで、メールキャンペーン経由のオウンドメディアへの来訪率が274%と約3倍に増えたとのことです。

次のページ
少数精鋭で、パーソナライゼーションを実現させるためには?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
アドビのマーケターに聞く、マーケターが直面しがちな3つの壁とは連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

松井 真理子(マツイ マリコ)

アドビ株式会社 DXインターナショナルマーケティング本部 フィールドマーケティングマネージャー

 BtoB マーケティング一筋で20年ほど従事。2013年にマーケティングオートメーション(MA)と出会い、施策の最適化を積み重ねることでBtoBマーケティングの重要性と影響力を示す。2020年3月よりアドビ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/09/06 08:30 https://markezine.jp/article/detail/45221

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング