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広告/マーケティングにおける7つの転換点~『2030年の広告ビジネス』番外編

ID取得型マーケティングの限界【広告/マーケティングにおける7つの転換点】

同一人物でも、購買影響要因は変わる

 問題なのは、対象ブランドが変わってしまうと(特にカテゴリーや価格帯が変わると)、同じ人でもこれらの購買影響要因が変わることです。この行動はすでに、データでしっかりと把握できています。逆に考えると、同一カテゴリーや同価格帯のブランドを担当しているマーケターにとっては、このロジックは非常に有効なのです。

 もちろんCRMなどで自社ブランドの顧客や、見込み顧客を人で括っていることは、顧客をデータ化できていないマスマーケティングよりは、確実な手法でしょう。ですが、「いつまでもロイヤルカスタマーでいるのか」、「いつまでも見込み顧客であると認められる意識や行動パターンでいるのか」については、その程度を把握するには課題があるでしょう。つまり、人は変化するのです。

 ですから、顧客をデータ化しないマスマーケティングのほうが、変化する顧客の括り方を変えて追いかけられる分、対応力があるとも言えるでしょう。

人の「カメレオン化」にどう立ち向かうか

 現状では、人の「カメレオン化」については、研究が進んでいるとはあまり言えません。ヒトを個別に特定するマーケティング手法では、人はスタティック(静的)に意識や行動パターンを持っていないと困ります。せっかく人を特定したのに、その行動パターンが変化してしまうと、特定した意味がなくなってしまいますから。ですから、あえて気まぐれでコロコロ変わるということを、突き詰めてこなかったともいえるでしょう。

 そこで意識や行動パターンを変えてしまう要因を考えてみたいのですが、それは専門である消費心理学の先生にお願いするとしましょう。

 では、ヒトのカメレオン化にどう対応したらよいのでしょう。筆者の考えでは、ヒトの多面性を全部違うヒトと認識して、物理的に同じヒトに集約しないほうがいいと思っています。同じヒトでも別人格は別者と認識すべきでしょうね。ただ豹変する思考や態度については、単に別人格とするだけでは難しそうです。

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膨大なデータに向き合う時にAIが本領を発揮する

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この記事の著者

横山 隆治(ヨコヤマ リュウジ)

横山隆治事務所 代表取締役
ベストインクラスプロデューサーズ 取締役 ファウンダー
トレンダーズ 社外取締役

1982年青山学院大学文学部英米文学科卒業。同年、旭通信社(現・アサツー ディ・ケイ/略称:ADK)に入社。インターネット広告がまだ体系化されていなかった1996年に、日本国内でメディアレップ事業を行う専門...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/04/19 09:00 https://markezine.jp/article/detail/45371

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