なぜ四方良しが実現できる?pHmediaが持つ4つの強み
――四方良しを実現するために心掛けていることはありますか。
奥田:pHmediaが持つ以下4つの強みを活かしたご支援を心掛けています。
1.年間1.7億を超える購買情報をはじめとしたデータの活用
2.PPIH×博報堂のクリエイティブ部隊
3.アプリやSNS、Webサイトなどのデジタル接点と店舗のリアル接点の融合
4.分析チームが提出するレポート
1つ目に関しては、majicaの約1,400万人の顧客基盤が持つデータです。majicaでは年間の1.7億件に及ぶ購買データを取得しています。また、PPIHは多種多様なカテゴリの商品を扱っているため、購入された商品の組み合わせも把握できます。
そのため、通常のリサーチ手法では見えてこない生活者インサイトを発見できる強みがあります。
2つ目のクリエイティブ部隊に関しては、PPIH独自のPOPなど独自のクリエイティブ力を持ったメンバーと、博報堂の企画力を持ったメンバーが集まっています。また、薬機法をはじめとした法律面もカバーしているので、メーカー様には安心していただけるクリエイティブが用意できます。
3つ目は、多様な接点を融合させることで、あらゆる形でテストマーケティングを実施できる環境が整っています。
そして4つ目ですが、pHmediaではmajica内の「マジボイス」機能で収集したお客様のレビュー、売上データなどをもとに分析チームが独自のレポートを作成してお渡ししています。こちらも通常のマーケティング・リサーチでは気づけないインサイトに気づける内容になることが多く、非常に有益だと考えています。
ドンキvs花王の構図でA/Bテストした事例も参考に
――サービス開発にあたって参考にした事例などはありますか。
奥田:ドンキで実施した、花王様との『メンズビオレ』のボディシートでの取り組みなどを参考にしています。
これは、花王様とドンキそれぞれが、ドンキにご来店されるお客様に手に取りたいと思っていただけるボディシートを目指して、商品のパッケージを2社がそれぞれ制作し、国内3店舗のドンキで販売する、といった内容です。
店頭のお客様の声や投票数、売上実績をもとに全国発売するパッケージを決定するという取り組みだったこともあり、結果として、非常にたくさんのお客様の反響をいただき、僅差でドンキデザインのパッケージで、全国発売が決まっています。

こちらの参考事例は、2つの商品を同じ棚に並べることで、ドンキらしい話題づくりができていることはもちろん、ブランドの価値を増幅させることにつながっているのではないかと捉えており、pHmediaが目指すべき世界に近く、我々が開発・提供しているメニューの参考にさせていただきました。
新商品の店舗での実証実験や購入者へのインタビュー実施も
――これまで実施された事例について教えてください。
小林:新たに新ジャンルのアルコール商品を開発された酒メーカー様での取り組みを紹介します。
「過去にどういうお酒を購入されている方が今回の新ジャンルのアルコール商品を購入されるのか。また店頭で見たときの印象、なぜ手に取ろうと思ったのか、パッケージはどう思うか、飲んだ感想はどうなのかを知りたい」というご依頼だったので、購買データの分析に加えて、購入者のインタビューも設定しております。加えて、ビール棚の横に置く方が売れるのか、RTD棚の横に置く方が売れるのか、の検証もしております。
メーカー様にとって実際の店舗での実証実験や、購入された方へ直接インタビューすることは、実施ハードルが高くなります。また売場を模した空間を用意し調査されるケースもあると思いますが、実際の購買状況と同じデータが取れるかというと悩ましいところがあります。
初動1週間では全体の酒購入者における新商品購入率は、”男性30代”の購入率が最も高いことがわかりました。今後さらにデータを見ていき、購入者の全体像とリピート層はどの層なのかなども含めて分析していきたいと思っています。