6.認知~購買を一瞬で行う、現代ならではの「パルス型消費行動」
従来のジャーニー型とは全く違う「パルス型消費」とは
現代の消費者においては、1日24時間すべてが買い物のタイミングとなり得ます。空き時間にスマートフォンを操作しながら瞬間的に買いたい気持ちになり、買いたいと思う商品を発見し、その瞬間に買い物を終わらせる。そんな消費行動が広まっています。
我々はこのような行動を「パルス型消費」と呼び、ある程度時間をかけて買いたい気持ちを醸成させる「ジャーニー型消費行動」と区別すべきと考えています。

パルス型消費が目立つ背景
スマートフォンの普及にともない、私たちはいつでもどこでも情報収集ができるようになりました。暇つぶしに検索、SNS、アプリ、動画サイト、マップなどを使って“漠然と”気になっている事柄を調べる習慣も広まりつつあります。
この「なんとなく気になっている」事柄は、「先取り欲求(これからしなければならない何か)」もしくは「確認欲求(既に行った何か)」に関連している場合が多いのですが、検索行動を開始する時点では具体的な商品に関する検索ではありません。
パルス型消費行動が近年目立つ背景として、これらの行動の途上で出合った情報がきっかけで突発的に購買意欲が刺激され、刺激が一定以上に達した場合に、その場で購入に踏み切るケースの増加が考えられます。
もちろん、誰もがこのような形式で購買するようになるとはあまり考えられません。たとえば、日用品は近所のスーパーで生鮮食品などと一緒に購入するパターンが多く、今後もこのパターンは継続されるでしょう。自らの行動を振り返れば、従来とは異なる購買行動が出現していることに思い当たる人も多いのではないでしょうか。