来店を生むための習慣になるアプリ
━━昨今、小売業界ではリテールメディアへの参入が盛り上がりを見せています。ウエルシアグループとしてアプリに求める役割をお教えください。
清田:まず一つは、来店動機になることです。そのためアプリを立ち上げると、インセンティブや様々な情報など、お客様にとって便利な機能や特典があって、来店時にお得になることがわかります。そこからアプリの起動が習慣化すれば、来店動機につながります。

大学病院で薬剤師勤務を経て、グリーンクロス・コア(現・ウエルシア薬局)に入社。店長、バイヤー業務を経験後、中国事業の立ち上げに携わる。現在はマーケティング部責任者
もう一つ、お客様の行動を把握する媒体としての側面もあります。当初、アプリにおけるリテールメディアとしての役割は副産物に近い印象でしたが、今回アプリ開発で協働したDearOneさんとの取り組みの中で、リテールメディアそのものがお客様にとって有効な情報との出会いの場になるという結果も見えてきているため、今は両方の意味合いがあると捉えています。
カスタマイズ性とコスト感のバランスが決め手
━━2023年の4月に公式アプリ「ウエルシアグループアプリ」のシステムをリプレイスされた狙いや背景を教えてください。

コンビニ業界でスーパーバイザーを経て、ハックドラッグ(CFSコーポレーション)に入社し、販促企画部に在籍。2016年にウエルシアに合併後は、ポイント販促グループでポイント販促だけでなく、デジタル販促や店内放送なども手掛ける
藤村:それまで他のASP(アプリケーションサービスプロバイダー)と開発してきたのですが、お客様のIDの取得ができていないこと、UIUXのオリジナルカスタマイズができないことが大きな課題でした。特にUIUXは重要視しており、たとえばトップ画面のカルーセルの大きさ、バナーの大きさ、動きのスピード、ボタンの配置などをカスタマイズしたいと考えておりました。その課題をクリアするために、改めて当社のオリジナルアプリを作ろうと思ったのがきっかけです。
そのうえでまずは社内でアプリを通して実現したい世界観をまとめ、コンペを開催しました。DearOneさんの「ModuleApps 2.0」では、カスタマイズ性も担保できるものでありながら、フルスクラッチほどコストがかからないことが決め手になりました。
━━DearOneのアプリ開発支援サービスについて概要を教えてください。

人材派遣業界からDearOneに入社し、フィールドセールス業務を行いながらアプリの提案を行う。昨年「ARUTANA」のセールス責任者に就任。リテーラーを中心に担当
塚田:「ModuleApps 2.0」はバックエンドがプラットフォーム化されており、プッシュマスタ、クーポンマスタ、広告配信マスタなど共通で使える標準機能のマスタを多く用意しています。一方で、クライアント様のスマートフォンアプリは個社ごとに開発しています。標準機能はイチから開発しなくても良いので、開発コストを圧縮でき、個社ごとにオリジナル性も担保できる、ハイブリッドなサービスなんです。

なお、アプリはリリース後にどう育てていくか、ユーザーを増やしていくかが非常に重要となります。そこをサポートするための伴走のサービスもご提供しており、カスタマーサクセスをアサインして、継続的な分析や機能のご提案を行っています。これも選ばれる理由の一つになっています。