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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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エビデンスベーストマーケティングの基礎

事業成長に効くのは「新規拡大」か「ロイヤリティ向上」か?ファクトが示す傾向と最適解

 『戦略ごっこ マーケティング以前の問題』の著者 芹澤連氏による新連載がMarkeZineでスタート! MarkeZineで速報的に扱うコンテンツも掲載していきますので、ぜひブックマークしてご覧ください。第2講は、「事業成長におけるドライバー」をエビデンスベーストで解説。また、エビデンスベーストマーケティングを実践する上で不可欠な「&の視点」を理解できる内容となっています。

事業成長における浸透率とロイヤルティの役割

 前の記事では、ダブルジョパティの法則は日本市場にも当てはまることを解説しました。ダブルジョパティの法則からマーケターが学ぶべきことは、とてもシンプルにすると以下の2つです。

・ライトユーザーが、顧客基盤の大半かつ売上の半分近くを占めている

・小さなブランドほどリーチを広げ、CEPを増やし、浸透率を高めることが急務になる

 しかし、これは「既存顧客のことを考えなくていい」とか「ロイヤルティなんて存在しない」という意味ではありません。

 ブランドの成長は、カテゴリーユーザー“全員”を視野に入れる必要があります。次の図は21カテゴリー353ブランドの5年分の成長データを使い、浸透率が低下/維持/増加の3パターン、ロイヤルティも低下/維持/増加の3パターン、計9パターンで、平均シェア成長率を比較した研究のデータです(Baldinger et al., 2002)。ここからいくつかの傾向が読み取れます。

・まず、ロイヤルティが減ろうが増えようが浸透率が低下すればマイナス成長

・逆に、ロイヤルティが減っても浸透率さえ増えていればプラス成長

・とはいえ、最大のプラス成長となるのは浸透率とロイヤルティの両方が増えた時

・つまり、両方減った場合は最大のマイナス成長となる

 つまり、ブランド成長の第一義的なドライバーはやはり浸透率であり、ロイヤルティはどちらかというとそれを強化する働きがあるというわけです。

【参加無料&要登録】リアルイベント「MarkeZine Day」に芹澤さんが登壇します! お席に限りがありますので、関心ある方はお早めに登録下さい!

『戦略ごっこ』著者 芹澤氏が解く、マーケターの無意識の「既成概念 」 STP?差別化? 鵜呑みにしていた「定石」の真実を知る40分

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この記事の著者

芹澤 連(セリザワ レン)

マーケティングサイエンティスト。数学/統計学などの理系アプローチと、 心理学/文化人類学などの文系アプローチに幅広く精通。 非購買層やノンユーザー理解の第一人者として、消費財を中心に、 化粧品、自動車、金融、メディア、エンターテインメント、インフラ、D2Cなどの戦略領域に従事。 エビデンスベースのコ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/30 09:00 https://markezine.jp/article/detail/46260

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