成長を続ける公式サイトビジネス
本調査は、総務省の委託を受けてモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)が、携帯電話インターネットの公式サイト上で展開されるモバイルビジネスを対象として実施したもの。
2007年12月時点における公式サイト数は16,042サイトで、事業者数は4,298社。調査対象となったのは「モバイルコンテンツ」と「モバイルコマース」の2分野で、広告・プロモーションは対象外となっている。
2007年のモバイルビジネス市場規模は11,464億円となり、前年から2,179億円(23%)増加。 うち、モバイルコンテンツ市場は4,233億円(前年比16%増)、モバイルコマース市場は7,231億円(前年比29%増)となっている。
同調査は、成長の要因として携帯インターネット利用人口が前年比2.8%増の7,287万人となっていることをあげている。また、拡大傾向にある市場のうち、「モバイルコマース市場」は特に成長著しい分野となっている。
明暗が分かれた「モバイルコンテンツ」市場
続いて「モバイルコンテンツ」と「モバイルコマース」のそれぞれのデータを見ていこう。各分野に分類されたサービスは以下のとおり。
【モバイルコンテンツ】
着信メロディ系、着うた系、モバイルゲーム、電子書籍、待ち受け系、占い、その他(装飾メール・静止画・動画・待ちうたなど)
【モバイルコマース】
物販系(通販)、サービス系(興業チケット・旅行宿泊予約・航空券、鉄道(JR))、トランザクション系(証券取引・オークション・公営競技)
まず、モバイルコンテンツ市場は、「着うた系」が 1,074億円(前年比42%増)、「モバイルゲーム」が848億円(前年比13%増)と大きく成長したのに加えて、「電子書籍」が221億円で前年比220%増と急速に拡大している。
しかしその一方で、「着信メロディ系」は前年比34%減の559億円、「待ち受け系」は前年比8%減の227億円と縮小傾向にあり、モバイルコンテンツは大きく明暗が分かれるかたちとなった。
順調に伸びる「モバイルコマース」市場
一方の「モバイルコマース市場」は、「物販系」が3,292億円(前年比27%増)、「サービス系」が2,708億円(前年比41%増)、「トランザクション系」が1,231億円(前年比11%増)と、いずれも拡大傾向にある。
携帯ならではのコンテンツである着信メロディや待ち受けが縮小する一方、通販や電子書籍など新たなサービスが台頭してきた2007年。この傾向は2008年も引き続き顕著になりそうだ。
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