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データ活用で、オンラインと店舗をシームレスに連携──ユナイテッドアローズはいかにして革新を実現したか

店舗POSデータをオンライン施策に活かす、ユナイテッドアローズの取り組みとは

MZ:ユナイテッドアローズでは、どのような取り組みに着手されたのですか。

佐々木:当社では店舗とオンラインの双方で購買するクロスユースを推進していますが、店舗の購買データをオンライン施策に活かせていないことが課題でした。この結果、店舗で既に購入された商品を重複してダイナミック広告でもレコメンドしてしまうといったケースが起こってしまいます。

 そこで、店舗でお買い物の際に提示いただく会員証を匿名加工した上で広告対象者を特定し、Criteo社の配信リストに突合して、店舗名とともにダイナミッククリエイティブを配信する手法を用いました。

 この手法のメリットは2つあり、1つは店舗で既に購入された商品の広告が出にくくなること。もう1つは、「先ほどいた店舗で見ていた商品」の広告を配信できることです。これによって店舗とオンラインの体験をデータでつなげ、効果的な再提案が可能となりました。クリエイティブ内に店舗名とロゴを含める際は、レイアウト調整を意識しブランドイメージを守ることにも注力しました。

MZ:取り組みを進める中で、どのような課題がありましたか。

佐々木:顧客IDの統合を進める上で、データ連携面の課題がありました。データはあっても、施策活用できる状態まで連携できていなかったのです。

 そこで、まずはデータをハッシュ化、暗号化、匿名化してセキュリティ対策を行った上で、アプリ会員証を利用した購入履歴を連携。店舗での購入商品や、日常的にアプリ・Webで閲覧している商品データを活用できるようにしたことで、精度の高い広告配信が可能となりました。お客様にとって価値のあるものを提案するために細かい調整も必要でしたが、Criteo社が柔軟に対応してくれたことで課題を解消できました。

店舗名や商品など、パーソナライズされた広告クリエイティブの配信が可能に(クリックして拡大)

松尾:このソリューションは「Store Conversion」といい、ユーザーおよび店舗の位置情報、オンライン上での購買データを活用して、オンライン上のユーザーに対して実店舗への誘導を目的としたパーソナライズされた広告配信を行うキャンペーンです。

店舗・アプリ両チャネルで、売り上げやLTV向上を実現!

MZ:取り組みの成果についてお教えください。

津志:アプリ上で行ったダイナミック広告のキャンペーンと、ストアキャンペーンとの対比では、アプリ上の売り上げに対してROASは前者が56ポイント高くなりました。一方で店舗売り上げに対しては、ストアキャンペーンが166ポイント高い結果です。また、店舗とアプリ両チャネルの売り上げを合算したトータルROASではストアキャンペーンが110ポイント高く、店舗・アプリともに売り上げを効率よく伸ばせた結果となりました。

 さらに、クロスユーザーを可視化しリエンゲージメントすることでLTV向上を図るキャンペーンも行い、他のWebキャンペーンと比較してROASが約370ポイント高い結果が出ました。LTVキャンペーン経由で購入いただいたお客様は、3ヵ月以内の複数購入率や総購入回数が他媒体と比較して非常に高くなっています。

平井:LTVキャンペーンにより、セール時期やアウトレット品でなくても購入いただける、良質なお客様の獲得・活性化に結び付いていると感じます。アプリ上でのROASや売り上げにもつながり始めています。

佐々木:出稿の際にフィードの商品データを精査し、特定商品や店舗の除外を行うなど、配信にグラデーションをつける工夫をしました。オプト社には、店舗一覧やセール時期など、当社のビジネスモデルを理解してもらった上で伴走いただきました。

松尾:施策の実施時は、「どのようなデータをインプットするか」から、「評価をどう行うか」までの設計が重要です。今回、ユナイテッドアローズ社、オプト社、Criteoの3社間で連携をしながら、細かく施策の設計を行った点がカギになりました。

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新たな取り組みにチャレンジするコツは「余剰作り」

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:CRITEO株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2024/10/01 11:00 https://markezine.jp/article/detail/46692

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