アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」とのコラボでリーチを拡大
二つ目が、高校生の経済的支援につながるためです。日本学生支援機構が2019年2月に行った調査によると高校生の2.7人に1人が奨学金を利用して高校に通っていることがわかっています。そのため、彼らがバイトをしやすい環境を作ることが、経済的支援にもつながると考えました。
━━具体的にどのような取り組みを行ったのですか?
本プロジェクトでは、大きく分けて二つのことを行いました。一つ目が、当社の従業員が実際に全国の高校に訪れて授業を行う「バイトル高校生出張授業」です。高校生の皆さんが将来自分らしく生きていくために、働くことへの理解を促し、正しいバイト探しに必要な情報を伝えました。これにより、高校生がバイトを行う際の不安の払しょくを狙いました。この取り組みは報道メディアからの興味関心も高く、約20番組のテレビ露出にもつながりました。
もう一つが、アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」とコラボした広告キャンペーンです。同作品の世界を踏襲して高校生のバイトに関する悩みを解決するオリジナルストーリーを当社が作成。それをYouTube、TikTok、Xでの配信とOOHの掲出を組み合わせてリーチを図りました。
特にコラボ広告では、ターゲティングしにくい高校生に対して効果的にリーチするため、ターゲットが普段使っている媒体などの調査を行い、配信の媒体選定や設計を徹底して行いました。
ファンのカルチャーに企業が合わせに行き、納得感のある施策を実施
━━高校生とのコミュニケーションを行う際に意識していたポイントはありますか。
以前当社がクリエイターの方々と協力して実施した「新生活応援プロジェクト」と同様に、アニメ「ほっち・ざ・ろっく!」を起用した今回のプロジェクトも、既にカルチャーができあがっているコミュニティに私たちがお邪魔する形になります。そのため、企業側が発信したいことを一方的に発信するようなコミュニケーションではなく、アニメファン界隈のカルチャーにとことん合わせに行き、その表現の中でバイトルがこの施策を行う理由を納得してもらえるように意識しました。
また、アプローチの場所をデジタルのみに留めないようにしたのも今回の施策で意識した部分です。OOHと組み合わせたプロモーション設計にすることで、ターゲットやファンがわざわざ見に行きたい仕組みを創出。デジタルでの発話化促進につながるよう、先行しているデジタル施策との相乗効果を狙いました。これにより、単なるクリエイティブの拡散に留まらず、サービスおよび企業の認知獲得にもつながりました。
━━“ファンのカルチャーに合わせに行く”とは具体的にどのようなことを行われたのでしょうか。
既存のアニメシーンをつなぎあわせてバイトルのプロモーション用のオリジナルストーリーを5話分作成しました。当然ながら私たちやクリエイティブチームはアニメを何度も視聴し、作品への理解を深めるように徹底。これにより、作品の世界観を踏襲し、ファンの皆さんにとって違和感がないように注意しました。
また、OOHでは、新宿駅や梅田駅にアニメの人気シーンとそれをバイトル風にパロディにした「名言ジャック広告」を掲載。コミュニティに属する人たちが直接見たいと思えるようなスポットを提供しました。