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UGC創出で動画総再生数が5,000万超に バイトルとワンメディアによる「二次拡散を見据えた設計」


 SNS上で話題化を促すために重要になるUGCの創出。多くの企業が試みてはいるものの、ユーザーを巻き込んで効果を上げるのは容易ではない。そんな中、2023年6月から「バイトル」などの求人情報を提供するディップと、そのプロモーションを支援するワンメディアが展開したキャンペーン「新生活応援プロジェクト」は多くのUGCが創出され、プラットフォームを横断した動画の総再生回数は5,000万回を超えた。本記事では、本プロジェクトを設計した両社の担当者に、「視聴者を参加者に変える」設計について尋ねた。

オリジナル楽曲を制作 バイトルによる「新生活応援プロジェクト」

──まず、皆さんの現在の業務領域について教えください

播田:ディップのマーケティング統括部に所属しています。ミッションは、売上につながる営業支援と応募数を上げることです。求人掲載企業への営業活動の支援と、求人への応募促進を目的としたプロモーションの企画や実施です。

ディップ株式会社 商品開発本部 マーケティング統括部 市場創造課 播田 真也氏

森:ワンメディアで動画のプロデュースを行っています。企画から制作・配信の制作進行に携わっており、特にYouTubeやTikTokなど、複数のプラットフォームにまたがった施策を担当しています。

余頃:ワンメディアのクリエイティブスタジオを統括しており、動画を活用した企業ブランディングを支援しています。今回の施策では、営業としての窓口やメディアプランニングを担当していました。

(写真左)ワンメディア株式会社 ビジネスプロデュース本部 取締役/ビジネスプロデューサー 余頃 沙貴氏、
(写真右)同社 スタジオ本部 プロデューサー 森 恭平氏

──今回ディップ様が実施した「新生活応援プロジェクト」について概要を教えてください。

播田:新生活応援プロジェクトは、「はじめてバイトを応援する歌」をオリジナルで作成し、楽曲を通してユーザーからの共感を得ることで、UGC創出を目指すプロジェクトです。目的は、バイトルがユーザーの“はじめてバイト=初めてのバイト”を応援していることを伝え、バイトルでのアルバイト・パートの応募を促進することでした。

 具体的には、まずTwitter(現X)のユーザーに、「新生活への想い」を投稿していただきたいと呼びかけました。そして、集まった声を基に応援ソング「バイトル!」を制作。本楽曲はアーティストのmeiyoさんに書き下ろしていただき、MVをYouTube上で公開しました。それに加えて、完成した楽曲を使って「歌ってみた」のアレンジ楽曲や、TikTokで「踊ってみた」動画へのチャレンジを通して、UGCの創出も行いました。

──今回、ターゲットを「初めてバイトをする人」にした理由は何かありましたか。

播田:初めてアルバイトをする方のインサイトとバイトルの機能がマッチすると考えたからです。アルバイトの仕事探しにおいては競合のサービスが乱立していますが、バイトルは「職場紹介動画」や「仕事体験・職場見学機能」、「応募状況がわかるバロメーター機能」などが強みとして挙げられます。これらは初めてのアルバイトに不安や期待感を抱える方々にとって大きな価値になると考えました。

 従来のプロモーションでは、企業側起点のメッセージとして機能的な価値などをそのまま発信することが多いです。しかし今回は、SNS上で生じた“新生活の期待と不安の声”を基にし、ユーザー層が自ら参加するインタラクティブなプロモーションにすることで、「はじめてバイトはバイトル」という訴求をより効果的にしようと考えました

ユーザーの重複率が高い「TikTok」と「YouTube」を活用して距離が近いプロモーションを設計

──インタラクティブなプロモーションを設計する上で、YouTubeとTikTokというプラットフォームを選定した理由はなんでしょうか。

森:ターゲットである若年層を巻き込んでUGCを創出しやすいと考えたためです。今回我々は、UGC創出に向けてYouTubeの「歌ってみた」、TikTokの「踊ってみた」という文化に着目しました。ここを掛け合わせることによりクロスチャネルで相乗効果を発揮し、拡散することを狙いました。

余頃:バイトルはこれまでテレビCMを活用したコミュニケーションを積極的に実施してきたため、認知率は既に高い割合を獲得していました。次に目指すべきは、アルバイトの申し込みをするときにバイトルを最初に想起してもらうことです。ユーザー層による共感や第一想起を獲得するために、若年層によるUGCが盛んで、ユーザーの併用率が非常に高いプラットフォームであるYouTubeとTikTokの組み合わせを選びました

 その際に気をつけたのが、きちんとインタラクティブなプロモーションになっているかどうかです。ただYouTubeで動画広告を配信するだけではなく、UGCが複数のSNSを横断するように設計し、接触率を上げました。

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/11/22 14:15 https://markezine.jp/article/detail/43782

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