若年層へのアプローチが喫緊の課題に
――セブン&アイHDでは、以前よりTikTokをコミュニケーションに活用していると聞いています。まず、TikTokの活用目的とこれまで配信してきたコンテンツについて教えてください。
飯田:セブン&アイHDがTikTokを活用しているのは、若年層の皆様に弊社の各ブランドをより身近な存在と感じていただくためです。
お客様の毎日を支えている企業として、お客様との日々のコミュニケーションは欠かせません。TikTokに関しても、セブンプレミアムの公式アカウントでは企業としての情報発信ではなく、中の人として人間らしさを感じるコンテンツやTikTokの流行を捉えたコンテンツを制作するように心がけています。
――セブン&アイHDの各企業・ブランドにとって、若年層へのアプローチが大きな課題となっているということでしょうか。
大竹:セブン&アイHDはセブン-イレブンやイトーヨーカドーをはじめ、様々な事業会社が存在しています。長きにわたり事業を運営しているため、グループ全体のお客様の平均年齢が高いということが自社のデータからわかっています。
中でも、プライベートブランドであるセブンプレミアムは、特に購入されている年齢層が高いデータが得られていたため、若年層のお客様の購入を促すことができるのではと感じ、TikTokをはじめとしたプラットフォームでのアプローチを強化しています。
――今回セブンプレミアムの数ある商品の中から、金のマルゲリータにフォーカスを当てたキャンペーンを行った背景を教えてください。
飯田:自宅で楽しめる本格ナポリピッツァである「金のマルゲリータ」は、2023年10月にリニューアルを行っており、1つ話題作りができるタイミングだったこと、また若年層との相性も良かったことからTikTokのコミュニケーションにも注力し、大きな販売につなげたいと考えました。
親和性の高いクリエイターとコラボし、フルファネルで施策を展開
――具体的にはどのようにTikTok広告の活用を進めていったのでしょう?
飯田:TikTok活用の支援に入っているmovel様のもと、TikTokと親和性の高いクリエイターをアサインし、認知から購入までのフルファネルでアプローチをする施策を展開しました。
内堀:クリエイターに関しては、ネクストブレイククリエイターと呼ばれるような方の起用を意識しました。ネクストブレイククリエイターとはすでに絶大な認知がある方というよりは、直近調子が良く今まさにブレイク寸前のクリエイターのことを指します。
ネクストブレイククリエイターをアサインすることで、広告でありながら普段のオーガニック投稿に近い形で、TikTokのユーザーに受け入れられるコミュニケーションができると考えたのです。
ヴィクトリア:セブン&アイHD様とmovel様の考え方は、企業のTikTok活用を考える上でとても重要です。
TikTokがユーザー、そして広告主から選ばれるのには2つの理由があります。
1つは、TikTokでは、若年層がクリエイティビティを発揮し、日々自己表現をするため活用しているプラットフォームであるからです。多くの若年層が熱量高く利用しているTikTokが、今回の目的である若年層へのアプローチに最適だと考えます。
ヴィクトリア:もう1つはTikTokがエンターテインメントを重視したプラットフォームであるからです。TikTokの投稿はリアルで楽しいものです。だからこそプラットフォーム、ユーザー、広告主、それぞれがお互いにつながり、気持ちが伝播していく環境があります。
こうした状況でユーザーと広告主のつながりを強め、大きな広告効果を生み出す役割を担うのがクリエイターです。クリエイターの動画を通じて、ユーザー目線を織り交ぜながらブランドストーリーを伝えていくことができますし、TikTok広告を最大限活用することにもつながります。
これら2つの観点から、セブン&アイHD様とmovel様の取り組みはグローバル規模で見てもTikTok広告のベストプラクティスだと考えています。