店舗・EC・アプリで生み出す「THREE」のブランド体験
MZ:では、そうした背景もある中、THREEのマーケティング戦略全体の中におけるECやアプリの位置づけ、役割について教えてください。
久保田:THREEは百貨店を中心とした事業展開をしており、売り上げの大きな割合をリアル店舗が占めています。その中でECは商品を購入していただく場としての役割に加え、お客様に商品情報を閲覧いただき、実店舗への来店を促すカタログ的な要素も大きいと考えています。また、店舗接客ではなかなか伝えきれない、商品の背景や作り手の想いなどもコンテンツを通じて伝えることが可能です。
アプリは、2019年よりスタートしました。月間利用者数としては約10万人となっています。現在は、店頭の会員管理機能が一つの軸となっており、お客様が店頭に来店された際、アプリでバーコードを提示いただくことで、過去の接客履歴を参照しながらサービスを提供しています。これによりお客様を深く理解することが可能になり、適切な商品を提案できると考えています。さらに、新商品の発売情報や商品の背景、作り手の想いをお知らせする情報伝達ツールとしても活用しています。
MZ:実店舗やEC、アプリがある中で、THREEが理想とする顧客体験とはどのようなものですか?
久保田:一人ひとりのお客様が求める情報を適切なタイミングで届ける、パーソナライズした体験です。過去の購入履歴に基づいて、購入した商品と関連する商品が発売される際にはいち早くその商品をお試しいただけるサンプルをお渡ししたり、商品開発の背景などより深い情報をお知らせしたりといったきめ細やかな接客が体験の質を左右すると思います。一律の情報提供を行う形では、お客様の好みや関心と合致しない場合も出てきてしまうと考えています。
チャネルごとの部分最適の弊害を感じ、KARTE導入を決定
MZ:理想の顧客体験を追求するにあたって、課題はありましたか?
久保田:アプリのプッシュ通知、メールマガジン、LINEなど、それぞれのチャネルでツールを個別に導入・運用していたため、社内での情報共有や統一的な運用が難しく、連携が図りにくいと感じていました。また、各ツールで配信の結果を同じ基準で比較できない点も課題でした。
さらに、情報管理の観点からも問題がありました。各ツールで顧客情報を個別に保持するということは、情報の管理が難しくなり、個人情報管理のリスクも高まります。また、ポイント制度など新たな制度やサービスを導入する際も、すべてのツールに個別に情報を追加しなければならず、開発工数が増大する懸念もありました。
これらの課題を解決するためには、個別最適ではなく、全体で見ていく必要があります。そのためには顧客コミュニケーション基盤を一新し、ツールを一つにまとめることが有効だと考え、KARTEを導入することにしました。一度データを連携すれば、すべてのチャネルで施策を実行でき、アプリ向けやメールマガジン向けといった個別開発の必要がありません。トータルで開発コストが少なくすむところもKARTEに決めた大きな理由のひとつです。
コスメEC成功のポイントとマーケティング施策事例6選
顧客のニーズやコミュニケーションチャネルが多様化している現在、コスメECが成功するためにはパーソナライズ化された顧客体験をすべてのチャネル横断で提供することがポイントです。
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