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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

マーケティングの近未来

広告業界で仕事のモチベーション維持に悩んでいるあなたへ/広告はヒトを幸せにするものである

広告の仕事の本質

 「自動手記人形(オート・メモリーズ・ドール)」と呼ばれる代筆屋の少女が主人公、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。かつて「武器」として扱われ感情を持たなかった少女が、相手の想いをすくい上げ、手紙を代筆する。そして、その代筆の仕事を通して、人の感情に触れ、少しずつ“愛”を知るようになっていく(参照:「京アニ制作『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』放送10分で号泣の声続々「泣けた」「心が浄化された」 トレンド1位の大反響」)。

 広告の仕事もこの代筆屋と似ている。「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観た感想だ。相手の想いをすくい上げ手紙を書く。届けたい相手に届けたい想いを届ける。その根底には"愛"がある。広告の本質だ。マス広告だろうがネット広告だろうが、届けたい想いがある。それは、広告主企業の想いであり、そして、その想いを、届けたい相手がいる。相手は、ターゲット層の生活者だ。

 企業活動の中心には“愛”がある。「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助(パナソニックホールディングス創業者)はビジネスにおける”愛”の重要性をよく語っていた。

「日本という国をよくしたいのなら、日本を大事にし、日本を愛し、日本を自覚して、そのうえでみずからの仕事に惚れて喜びを感じ、さらには互いに愛し愛されつつ、進んでいくことを心がけたい。」

引用:『人生と仕事について知っておいてほしいこと』松下幸之助著

「素直な心の中には、愛といいますか、憎むべき相手をも愛するといった心、また誤りを正し、正しい方向に導くといった心、そういうものも含まれると思います。また、高い見識というものも、こういった素直な心によって養われるのです。一言でいえば、素直な心は、人間を正しく強く聡明にするものです。」

引用:『人間を考える 新しい人間観の提唱・真の人間道を求めて(PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー)』松下幸之助著

 ほとんどの企業が世の中の役に立つ商品やサービスを提供している。いや、世の中の役に立たないものは売れないので、一時的なブームなどはあるかもしれないが、市場で売れている商品・サービスはすべて、社会の中で何らかの役に立っている。そこにはすべての企業の、そこで働く人たちの、誰かの役に立ちたいという想いがある。"愛"に根差した素直な心で、より良い世界を目指して懸命に働く人々。そのエネルギーが凝縮されている。

 もちろん、詐欺広告を出すようなダメな企業も存在する。だが、それは徐々に淘汰されていく。電通や博報堂、サイバーエージェントなどの真っ当な広告代理店が取り引きする企業はすべて、根源的には、"愛"に根差した素直な心があるはずだ。

 私たちは通常、オリエンテーションを受けて、広告主企業の想いを聞く。それをできるだけ深く理解し、キャンペーンの目的と予算に応じて、目標(KPI・KGI)設定を行い、ターゲット層を決定し、クリエイティブやメッセージの方向性を定め、メディアプランを作っていく。そして、ネット広告、特に運用型広告であれば、その後、はてしないPDCAサイクルを回していくことになる。

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「広告はヒトを幸せにする」の真意

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この記事の著者

ヴァイオレット・エヴァーインディゴ(ヴァイオレット・エヴァーインディゴ)

1990年代に米国西海岸に留学し、シリコンバレーで就職。1998年のGoogle誕生に衝撃を受け、ネット広告・デジタルマーケティング領域に職域を転換。2000年代初めに帰国。米国大手IT企業・プラットフォーマーを6社経験。デジタルマーケティングのコンサルティングを生業とする。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/09/26 09:00 https://markezine.jp/article/detail/46966

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