※本記事は、2024年12月9日(月)まで無料でご覧いただけます。
国産農畜産物を食べたくなるレシピや豆知識を発信
――JA全農広報部の公式Xアカウント「全農広報部【公式】日本の食を味わう」(@zennoh_food)やnote「JA全農 広報部【公式】」では、思わず作りたくなるレシピや、役に立つ食の情報を発信されています。そもそも、これらのSNSを立ち上げたきっかけは何だったのでしょうか?
田久保:JA全農では、以前から広報活動の一環としてXを活用していました。広報にある2つの部署のうち広報SR課が最初に、「スポーツ応援」「食農応援」「田んぼの生きもの調査」という3つのアカウントを開設。その後、私たち広報企画課も2019年9月にアカウントを立ち上げました。
福田:Xでは国産の農畜産物をもっと身近に感じてもらい、消費拡大につなげることを目標に、レシピや食材の豆知識のほか、新商品・イベント情報などを発信しています。
JA全農は国産農畜産物の販売のほか、生産者の方々に必要な肥料や飼料などの資材を供給する事業を行っています。SNSでの情報発信を通じて国産農畜産物の消費拡大を図ることは、間接的に事業貢献につながると考えています。
noteは、Xアカウント開設の約1年後に立ち上げました。Xはどうしても情報が流れていってしまいますし、テキストも短めです。noteでは、より長尺でゆっくり読んでもらえる、深い内容を発信しています。
noteは広報部だけでなく、記事を書きたいという職員も執筆しています。現在は米を担当する米穀部や野菜を担当する園芸部が活発に情報発信をしていますね。noteの目的もXと同様に国産の農畜産物を食べてもらうことですが、加えて、JA全農の事業内容も知ってもらうべく全農グループ内で働く人向けの広報紙「Minorinote」の内容なども投稿しています。
Instagramも複数のアカウントがありますが、こちらは広報SR課や他の事業部が、活動内容や商品情報を発信しています。
コロナ禍のバズで、明確になったアカウントの役割
――「続けてきて良かったな、公式Twitter」というタイトルのnote記事にも書かれていますが、Xの開設後すぐにはフォロワーが増えず、試行錯誤を重ねたそうですね。
福田:そうなんです。実は明確な目的や戦略もなく「とりあえずTwitterをやってみよう」とスタートしていました(苦笑)。
そのため初期は農畜産物の「〇〇の日」に関する投稿をしてみたり、プレスリリースの内容を噛み砕いてみたり、「映え」を意識した風景写真やスイーツなどを投稿してみたりもしましたが、なかなかフォロワーは増えていきませんでした。
転機となったのがコロナ禍です。牛乳の需要が大きく落ち込み、農林水産省が牛乳・乳製品の消費拡大キャンペーンを開始するのに合わせて、Xで「牛乳とヨーグルトでラッシーができる」というレシピを投稿。これが予想外の大反響を呼び、700人程度だったフォロワー数が、一気に1万2,000人ほどまで増加しました。
フォロワーが大幅に増加したことで、インプレッション数も増え、ユーザーの目にとまりやすい情報とそうでない情報の違いが明確になっていきました。コロナ禍で自炊をする人が増えたこともあり、レシピなどの日々の生活に役立つ情報への関心が高いこともわかってきました。
ここから、農畜産物の消費拡大のためのツールにするという目的が定まっていきました。