ホットリンクが探る、SNS活用企業の成功の秘訣
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毎日投稿!兼務体制で取り組むSNS運用
――Xアカウント(@kibun_kitchen)の「中の人」である「ちくわちゃん」こと安達さんに、SNS運用の姿勢についてうかがいます。まずは所属部署のミッションや、Xの運用体制について教えてください。
私は現在、店頭での販促やプロモーションを企画する部門に所属しており、Xの運用と企画立案を兼務しています。企画立案業務としては販促企画の他に営業支援にも携わっています。Xの運用は基本的に2名体制です。昨年2024年4月に配属された当初は前任者(のりふみ)と私の2名体制でした。現在は私がメインで担当し、上司がサブにつくという形です。

――投稿頻度の高さからX専属担当かとお見受けしておりました。業務の比率はどのようになっていますか?
時期によりますね。特にプロモーションや販促を企画する時期は商談会とも重なり、Xの頻度が一時的に落ちることもあります。
それでも毎日「おはちくわ」と挨拶したり、リプライが難しい日は「今日はお返事できない……。ごめんちくわ」と投稿したりと、どんなに忙しくても、お客様とのコミュニケーションを取ることを心がけています。

SNSはお客様とつながる場、「同じ目線」が生む親しみ
――御社では、Xを「お客様とのコミュニケーションの場」のように位置付けていらっしゃるのでしょうか。
そうですね。弊社ではSNSを、企業とユーザーが同じ目線でフレンドリーに会話できるコミュニケーションツールと位置付けて、フォロワーさんとのつながりを大切にした運用を重視しています。
元々弊社は若年層へのアプローチに課題を抱えていました。というのも、弊社が扱っている練り製品のメイン購買層は50〜60代です。そこで、少しでも多く若年層の方と接点を持つことを目的としてXを開設しました。
またフォロワーさんとコミュニケーションをとるだけでなく、商品に対する好評価などポジティブなコメントがあれば、それを取り上げて社内の方々へ伝えていくこともしています。
弊社の商品に対して「おいしいよ」「あ、こんな商品も売っているんだ」といった声を拾い、関係する部門へ発信することで、営業担当や製造担当にも「自分たちの取り組みが、こんなふうにお客様から評価されている」と実感してもらえます。
「私たちは、現場とお客様をつなぐ役割である」という気持ちで取り組んでいます。