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マーケターがAIには永遠に任せられないこと HubSpot CMOが語るAI時代の必須スキル

 「こうした時代の特長はたくさんの機会が目の前にあるということ」と前向きに語るのは、HubSpotのCMOであるキップ・ボドナー氏。世界有数のマーケティングテクノロジーカンパニーでAI活用の最前線を自ら進んできた同氏が重要視するものとはなんだろうか。マーケターが試すべきAIの活用方法、予測されるブランドマーケティングの変化、これからの時代に身につけるべきスキルなどを探った。

AIが起こす「インターネット黎明期のようなマグニチュード」

━━初めに、改めてボドナーさんの簡単なご経歴と、CMOとして現在見ている業務領域を教えてください。

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HubSpot, Inc. CMO Kipp Bodnar(キップ・ボドナー)氏

 マーケティングエージェンシーからキャリアを始め、先端的なテクノロジーがより強く関わる分野へと進む中で、HubSpotに入社しました。入社当時はマーケティングの中でもいわゆるデマンドの創出に携わり、コンテンツ制作をはじめとした施策を行っていましたが、以降も様々な問題解決に取り組み続けた結果、最終的に現在のCMOという立場になりました。

 現在当社では、CMOの下に四つの大きなチームがあります。一つ目がイベント&エクスペリエンスでいわゆるイベントを担うチーム、二つ目がブランド&クリエイティブのチーム、三つ目がデマンドジェネレーションを行うチーム、四つ目がメディアチームです。

 メディアチームがニュースレター、ブログ、YouTubeチャンネル、オウンドメディアなどを管理しています。

━━2024年9月に御社が開催した「INBOUND 2024」では多くのセッションでAIの話題が扱われていましたね。ボドナーさんはAIを含め、新たなテクノロジー、ツールに興味を持ち、それを積極的に発信されている印象です。現在のマーケティング組織で特に試すべきAIの活用方法を教えてください。

 最初に伝えておきたいのですが、AIが今起こしている変化は、インターネットが黎明期に起こしたのと同じようなレベルの、“大きなマグニチュード”の変化です。こうして起きている変化の中でも、特にマーケターが注意を払って活用を試していかなければならないと思っている領域がいくつかあります。

CVR82%増の事例も 動画でもメールでもパーソナライズが加速

━━どのような領域に注目すべきでしょうか?

 一つは、AIを活用した動画の制作です。我々も、INBOUND 2024のキーノートセッションで「HeyGen(ヘイジェン)」という動画生成AIツールについてHubSpotとの連携をご紹介したばかりですね。

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【クリックすると拡大します】HubSpot Inc. 製品担当 Executive VPのアンディ・ピトル氏本人(左)と、HeyGenで生成された動画で話す「AIアンディ」(右)。キーノートセッションの一部をアーカイブしている「Spotlight FALL ’24」より

 このようなAIによる動画生成を活用することによって、企業は今までより早く、より低いコストで動画を作ることができ、それだけでなく、各国の言語への翻訳もできます。時間をかけて少ない量を生むのではなく、拡張性・汎用性を持ちながら大量に作れるようになったことは従来の制作環境との大きな違いです。これにより、“動画をパーソナライズする”という概念すら出てきました。

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HeyGenはユーザーが選んだアバターを使い、インフルエンサー風の動画が生成できる。「HeyGen: Blog-to-AI Video」より(画像クリックでも飛びます)

 これによって顧客と何らかの対話をするシーンも変わるでしょう。今まではテキストベースでチャットするといったことが現実的な限界でした。しかし、AIの生成技術があれば今後はお客様とのインタラクティブな関わりにも動画を使うことが可能になります。

 もう一つ、大きな変化が起こる領域として挙げたいのが、メールマーケティングです。AIによるパーソナライズによってOne to Oneのメールマーケティングが実現します。

 たとえばHubSpotのマーケティングチームでもAIの活用に取り組んでおり、送り先によって調整しながら「HubSpotアカデミー」という講座コンテンツを差し込むなどパーソナライズを行った結果、CVRを82%も増加させたという実績も出ています。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/10/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/47085

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