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マーケターがAIには永遠に任せられないこと HubSpot CMOが語るAI時代の必須スキル

高まるブランドマーケティングの重要性 AI時代に競合との差になるのは? 

━━では、今後AIの活用がビジネスに広がっていくと、ブランドマーケティングはどう変わるとお考えでしょうか?

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 影響は多くあるでしょうが、まず企業にとってブランドマーケティングはこれまで以上に重要になっていくと考えています。なぜなら、これからの世の中では営業やマーケティングからのアプローチがAIによってさらに加速し、受け手が本当に受け止めきれないほどの量に増えていくはずです。企業は自分たちのブランドの独自性をしっかりと発信できる手法を見極めるべきですし、その価値は高まっていくと思います。

 また、ブランドのクリエイティブを作る全般のプロセスが変わっていくと思っています。クリエイティブを作るときは基本的に、アイデアと実行、検証の間をいかに早く反復し、磨いていけるかが重要です。ここにAIを活用することで、これまでは決してできなかったような多くのバージョンの画像、動画をテストし、どれが最も大きなインパクトを出せるのか、検証できるようになります。先述の通り、今までにない速さで、低コストでできることが、今後のブランドマーケティングに見るインパクトの一つです。

━━AIで制作プロセスが進化し、多くの企業が質の高いクリエイティブを作れるようになっていく中で、競合と差が付くのはどのようなスキルだと思いますか?

 「AIというものは永遠に、人間よりも人間らしくはならない」。当社の共同創業者兼CTOであるダーメッシュが、先日のINBOUND 2024のキーノートでこのような言葉を発しました。

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キーノートに登壇するダーメッシュ・シャア氏(HubSpot Inc. 共同創業者兼CTO)

 今後訪れるのは、人間とAIが共創(Co-Create)していく世界。その世界で人間でしかできないことの一つが、自分たちがリーチしようとしているオーディエンスの感情を理解することです。人間の感情に訴えかけるようなコンテンツを作るには、人間が感情の理解をするしかありません

 一方、人間には作れないような動きをする、AIにしか作れないクリエイティブが生まれており、それを軸とした新しいタイプのメディアも今後は出てくると考えています。たとえば、「Midjourney」という画像生成AIを使って制作したWebページなどを見てもらうとわかりやすいですね。

 人間が“できる仕事/できない仕事”、AIが“できる仕事/できない仕事”と分けた上で、AIができる仕事に関してはAIに任せ、分業していくことも必須スキルの一つです。これが今後の主流になっていくのではないでしょうか。

今のマーケターは目の前にチャンスがある 持つべきスキルは?

━━ここまで主にクリエイティブ分野について必要なスキルを聞きましたが、大きく変わりゆくマーケティングの世界では、今後のマーケターが身につけるべきスキル、マインドが他にもありそうです。どのようなものだと考えていますか?

 私たちは今まさに、とてつもない変化が起きる時代に突入したところです。こうした時代の特長は「たくさんの機会が目の前にある」ということ。マーケターは自身のマーケティングの戦略や活用するチャネルを変え、この機会を摑まなければなりません。

 この状況を前提にしたとき、マーケターに求められるスキルもしくはマインドセットには、目の前の変化に広く興味を持つための「好奇心」、素早く身につけるための「学びに対する前向きな姿勢」、そして「変化への適応力」などが挙げられるでしょう。

 一つ具体的なものを挙げるとすれば、「AIを学び続けられるような自己教育の仕組みを作る」です。

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日本のマーケターがセンスを活かせる業務と今後注力すべき業務

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/10/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/47085

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