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今知っておきたいマーケティング基礎知識

【徹底解説】Web広告のCPA改善方法|関連指標も紹介

 Web広告を配信する上で、1件あたりのCPA(獲得単価)を抑えた運用が求められます。効率よく獲得件数を増やしたいが「CPAを改善するためには何をすればいいのか」「どこから手を付ければいいのかわからない」と考える運用担当者の方は多いでしょう。本記事では、CPAの改善方法からCPAを改善するために知っておくべき関連指標を紹介します。ぜひ最後まで読んで、CPA改善に役立ててください。

CPAとは何か

 CPAとは「Cost Per Action(もしくはCost Per Acquisition)」の略語です。Web広告の配信によって獲得できたコンバージョンに対して掛かる費用に用いる指標です。

 Web広告の配信は広告費を使用して、商品購入やサービス申し込みなどのコンバージョン獲得を図ります。その際、CPAを見て1件あたりの獲得にどれくらいの費用が掛かっているのかを確認します。CPAが目標値よりも高い場合は、1件のコンバージョン獲得に対して広告費が掛かっており利益を確保できていないため改善が必要です。

 CPAを抑えるには、少ない広告費でより多くのコンバージョンを獲得しなければなりません。

1.CPAの仕組み

 Web広告におけるCPAは、1件のコンバージョン獲得に対して広告費がいくら掛かったのかを表します。CPAを抑えてコンバージョンを効率よく獲得するには、高いCVR(コンバージョン率)を維持する他、CPC(クリック単価)を抑えるなどの改善策が必要不可欠です。

 たとえば、販売価格5,000円の商品の広告を配信し、CPA7,000円で獲得できたとします。販売価格5,000円に対してCPAが7,000円になるため2,000円の赤字になります。このように、CPAが販売価格やあらかじめ設定している目標CPAよりも高くなっている場合には、早急に広告運用の改善を行わなければなりません。

 既に広告配信を行っている場合は、CPAが販売価格や目標値を超えていないか確認しましょう。

2.CPAの算出方法

 CPAの算出方法は以下になります。

  • CAP=広告費÷コンバージョン数

 たとえば、販売価格5,000円の商品の月間広告費を100万円とします。コンバージョンを250件獲得できた時CPAは4,000円となり、利益を確保して売り上げを伸ばせている状態です。逆にコンバージョンが125件しか獲得できなかった場合、CPAは8,000円となり利益を確保できていないことがわかります。

 このようにCPAは簡単に算出できるので、定期的に利益を確保できているか、目標値として定めているCPAで収まっているかを日々の広告運用の中で確認できます。

CPAの重要性

 CPAは、マーケティング活動の成功に欠かせない重要指標です。CPCやCVRなどの他の指標と異なり、CPAはキャンペーンの収益を可視化できる財務指標になります。

 収益性を可視化できるため、目標CPAをKPI(重要業績評価指標)に設定する企業も多いです。目標CPAを設定することで、Web広告のコンバージョン獲得に対しての「収益性の維持」や効率化を図るための「広告運用の改善」を行えます。

 広告運用担当者は、目標CPAに基づいた広告配信を行えるように意識しましょう。

CPAが悪化する理由

 広告配信を進めていく上で、CPAが高騰してしまうことは避けられません。CPAに悪化の傾向がある場合は、なぜCPAが悪化しているのか原因を明確にして改善施策に取り組む必要があります。

 CPAが高騰している時に考えられる要因は、以下の3つです。

  • ターゲットが合っていない
  • CVRが低い
  • 競合他社の影響

 これらのいずれか、もしくは複数の要因がCPAの高騰を引き起こしているといえます。それぞれについて、詳しく説明します。

1.ターゲットが合っていない

 広告文やクリエイティブ、ランディングページなどで商品・サービスの強みや魅力を訴求しても、広告配信のターゲットとなるユーザーが合っていなければコンバージョンにつながりません。

 たとえば、20代~30代の女性向け化粧品の広告を配信する際に、40代の男性に広告を配信してしまう、化粧品ということが伝わりにくいクリエイティブを配信してしまうなどすると、本来のターゲット層とのズレや興味喚起が上手くできず、思うような成果を得られないでしょう。

 ターゲットユーザーを意識したクリエイティブの制作や広告媒体の選定、配信設定が重要になります。

2.CVRが低い

 CVRが低い場合、コンバージョンをなかなか獲得できず、広告配信の効率が悪いため改善が必要です。

 Web広告では、広告をクリックすると指定のランディングページへ遷移します。CVRが低いということは、広告に興味を持ちクリックしたユーザーがランディングページを見て離脱しているということです。広告とランディングページの親和性や、掲載している情報がユーザーの求めるものか見直して、ランディングページの改修を図りましょう。

3.競合他社の影響

 業界や商品・サービスによっては、競合他社の参入が激しくCPAが高騰する可能性が高いです。また、シーズナリティの影響を受ける商品・サービスは、対象期間に自社含め競合他社も広告出稿を強化するため、CPCが上昇し結果としてCPAの高騰を招くでしょう。

 競合他社の出稿状況も確認しつつ、広告運用の調整を行う必要があります。

CPAを改善する理由

 どの企業においても、広告予算には上限があります。限られた予算の中でできるだけ多くのコンバージョンを獲得するために、広告運用者にはCPAの改善が求められます。

 商品・サービスの需要期には広告予算が例月よりも増える可能性はありますが、絶対に予算が増えるという保証はありません。普段の広告運用から、CPAを抑えて多くのコンバージョンを獲得できるように、配信手法やクリエイティブなどを定期的に見直し改善していきましょう。

CPAの改善を図る前に理解しておくこと3選

 CPAの改善を図る前に、これから紹介する以下の3つを理解して取り組むようにしてください。

  1. あくまでも費用対効果を図るための指標である
  2. 絶対にCPAが改善する施策は存在しない
  3. 適切なCPAを設定できているか

 それでは、それぞれについて詳しく紹介します。

1.あくまでも費用対効果を図るための指標である

 CPAはキャンペーンの収益を可視化できる財務指標としても使用されますが、あくまで費用対効果を計測する指標です。

 「CPAを下げなければ」と悩み、様々な施策を講じる広告運用担当者もいると思いますが、CPAを下げる目的は「効率的にコンバージョンを獲得するため」です。目的を見誤り、CPAを下げることだけを考えてしまうと、広告予算の縮小につながり十分な広告露出を行えません。コンバージョンを獲得できなければ本末転倒です。利益を確保できる最低ラインのCPAがいくらなのかを把握して、適切な予算で広告配信を行いましょう。

2.絶対にCPAが改善する施策は存在しない

 広告運用における各指標において「この施策を打てば改善する」というものはありません。

 広告運用をしていると「CVRが低いので、1.5倍にするためのランディングページを作ってほしい」「CTRが低いので2倍になるようにクリエイティブやターゲティングを見直してほしい」と言われることがあります。仮にランディングページの制作やクリエイティブやターゲティングを見直しても、依頼通りの数値への改善は難しいでしょう。

 競合他社の出稿状況や市場・トレンドの変化など、外的要因で各指標の数値が悪化するケースもあります。数値が悪化した要因の仮説と対策を考え、その中で「改善した際の影響幅が大きく、すぐに取り組める施策」から実行してPDCAを回すことが大事です。

3.適切なCPAを設定できているか

 広告運用を行う上で目標CPAを設定している場合、適切な目標CPAを設定できているか見直しましょう。無理な目標値を設定していれば、CPAを抑えるために広告配信を抑制し、コンバージョンの獲得数が減少する恐れがあります。

 正しい目標CPAの設定方法を理解して、利益の確保を意識しましょう。

3-1.上限CPA(損益分岐点)の計算方法

 上限CPA(損益分岐点)の計算は、売り上げの他、原価や人件費・配送料などのコストも含め、赤字にならない最低ラインを算出できます。

 たとえば、利益1万円の商品を販売する際に1万円の広告費が掛かっていれば利益がありません。この場合の上限CPAは1万円です。上限CPAは以下の2つの方法で求められます。

  • 上限CPA=顧客単価×利益率
  • 上限CPA=顧客単価-コスト

 既に広告運用を行っている方は、現在の目標CPAが上限CPA(損益分岐点)に収まっているか確認しましょう。

3-2.目標CPA(KPI)の計算方法

 上限CPA(損益分岐点)が算出できたら「損益分岐点となる売上高のうち利益をいくら確保するか」という目標CPA(KPI)を算出します。目標CPAは以下の2つの方法で求められます。

  • 目標CPA=上限CPA×広告費割合
  • 目標CPA=上限CPA-目標利益額

 どのくらいの利益が必要なのか、目標となる利益から逆算しましょう。

CPAの改善方法

 CPAの改善方法は大きく分けて2つあります。「CPC(クリック単価)を下げる」方法と「CVR(コンバージョン率)を上げる」方法です。

(タップで画像拡大)
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 CPCの改善方法とCVRの改善方法に分けて紹介します。

CPCを下げる

 まずはCPCを下げて改善を図る方法を紹介します。CPCが高い場合、効率的にユーザーに広告を露出できていないでしょう。1クリックあたりのCPCの高騰は、CPAの悪化につながります。CPCを改善する方法は以下の4つです。

  • 広告の品質スコアを上げる
  • 入札単価を抑える
  • 競合性の低いロングテールキーワードを狙う
  • ポートフォリオ入札戦略の上限CPCの設定を活用する

 取り組みやすいものから試してみて、CPCが下がるか効果検証を行いましょう。

1.広告の品質スコアを上げる

 リスティング広告のCPCを改善するために、広告の品質スコアを上げましょう。広告の品質スコアが改善できると広告の掲載順位が上がり、よりユーザーに対して広告を露出できます。品質スコアを決定づける要素は以下の3つです。

  1. 検索キーワードと広告文の関連性の高さ
  2. 広告のCTRの高さ
  3. ランディングページの利便性の高さ

 ランディングページの利便性とは、検索キーワードや広告文と内容が合っているかを指します。広告を入稿する際にはユーザー視点に立って、検索キーワード・広告文・ランディングページの内容に関連性があるかを確認しましょう。

2.入札単価を抑える

 広告の入札単価の抑制も、CPCを下げる方法の1つです。入札単価の抑制を掛けると広告の露出は減りますがCPCは安価になります。しかし、入札単価を安易に下げ過ぎてしまうと、競合他社との入札競争に負けてしまい機会損失を招く恐れがあるので注意が必要です。

 また、商品・サービスの需要期に差し掛かっている時期に入札単価を抑制することはお勧めしません。需要期には競合他社も、獲得数を最大化するために入札単価を強化してくる可能性があるためです。この時期にCPAが悪化した際には、入札単価の抑制以外の方法でCPAの改善を図りましょう。

 広告の掲載順位は広告の品質スコアと入札単価で決まるので、品質スコアとのバランスを見て入札単価の調整を行うことが重要です。

3.競合性の低いロングテールキーワードを狙う

 リスティング広告で買い付けているキーワードのCPCが高い場合は、競合他社も同じキーワードを買い付けている可能性があります。商品・サービスと関連性の高いキーワードは入札競争が激しく、CPCが高騰してしまいます。CPCを抑えつつ、商品・サービスに興味関心のあるユーザーに広告を露出するために、競合性の低いロングテールキーワードを買い付けましょう。

 ロングテールキーワードとは、複数の語句を掛け合わせた検索キーワードです。複数の語句を含むため、月間の検索ボリュームは少ないですが、よりニーズが顕在化した検索キーワードとなります。

 たとえば、一人暮らしを始める女性をターゲットとした場合「一人暮らし」「一人暮らし 都内」というキーワードは検索ボリュームは多いですが、競合性も高くCPCが高騰しやすいキーワードです。競合性の低いキーワードを狙う場合「一人暮らし 都内 おすすめ 女性」などのキーワードを買い付けるとCPCを抑制しつつ、よりニーズが顕在化した人へ広告を露出できます。

 ニーズが顕在化したユーザーを誘導できれば、CVRの向上も期待できるでしょう。

4.ポートフォリオ入札戦略の上限CPCの設定を活用する

 ポートフォリオ入札戦略は、複数の広告キャンペーンや広告グループ、キーワードの自動入札戦略を一括で管理できる方法です。ポートフォリオ入札戦略を使用している場合は、上限CPCを設定することでCPCの抑制が可能です。

 広告キャンペーンや広告グループ単位で入札戦略の設定も可能ですが、数が多く管理が行き届かない場合などはポートフォリオ入札戦略を活用しましょう。自動入札のため、より商品の購入やサービス申し込みにつながりやすいと判断したユーザーには、高いCPCでも広告を露出してしまう懸念点はあります。

 あらかじめCPCが高騰しないように「CPCが300円以上掛かる場合は入札しない」などの上限を設けて対策を打つこともできます。

CVRを上げる

 次にCVRを上げて改善を図る方法を紹介します。CVRが低い場合、いくらWebサイトやランディングページにユーザーを誘導しても、商品購入やサービス申し込みにはつながりません。CVRを上げる改善方法は、以下の5つです。

  1. キーワードの精査を行う
  2. 広告文やクリエイティブを見直す
  3. 広告とランディングページの関連性を高める
  4. ターゲティングを見直す
  5. フォームの見直し・改善

 すべてを同時に実行すると、どの方法でCVRが改善したのか要因が掴めなくなるので、状況に合わせて一つひとつ試してみましょう。

1.キーワードの精査を行う

 リスティング広告のCVRを上げたい場合、買い付けているキーワードの精査を行いましょう。精査する際には以下の基準を意識してください。

  • コンバージョン獲得につながっていないキーワード
  • コンバージョン獲得はできているがCPAが高いキーワード

 コンバージョンにつながっていないキーワードやCPAが高いキーワードは、CPAの悪化を招きます。安価にコンバージョンを獲得できているキーワードでの露出を増やすことで効率的な獲得につながります。

 精査の注意点としては、配信期間が短いキーワードは対象外としましょう。配信している期間が短くCPAが高いキーワードは、中長期的に見た時にCPAが安価になることもあります。

2.広告文やクリエイティブを見直す

 配信している広告のCTRが低い場合、広告文やクリエイティブがユーザーの興味関心を引けていないといえます。

 商品・サービスの強みや魅力は何かを整理して、広告文やクリエイティブに反映しましょう。また訴求内容は一つに絞るのではなく、複数用意してA/Bテストを行いコンバージョンにつながりやすい勝ち訴求を見つけることが重要です。勝ち訴求が見つかったら、次は表現方法などでA/Bテストをしましょう。

 また同じ広告文やクリエイティブを配信し続けると、ユーザーに飽きが生じCTRが低下します。何度も見た広告をクリックするユーザーは少ないので、最低でも月に1度は広告文やクリエイティブを差し替えましょう。

 ランディングページ上でのユーザーの動きを可視化できるヒートマップツールなどを導入している場合は、ユーザーがどの訴求をしている箇所で長く滞在しているのか、どこの訴求を見てフォームへ遷移するボタンをクリックしているのかを分析して、広告文やクリエイティブに活かすのも一つの手です。

3.広告とランディングページの関連性を高める

 広告はクリックされているが、商品購入やサービス申し込みフォームまで至らずWebサイトやランディングページから離脱してしまう場合、広告とランディングページの内容にズレが生じている可能性があります。

 ユーザーが求めている情報が掲載されていないために、離脱率が高くなってしまっては広告予算が無駄になってしまいます。広告とランディングページの関連性を高め、広告の品質スコアの改善を図りましょう。品質スコアが上がればCPCも安価に抑えられ、かつ広告とランディングページの内容が合致しているのでユーザーの離脱を回避できます。

4.ターゲティングを見直す

 広告のターゲティング設定を見直しましょう。CVRが悪化している場合、広告を配信しているターゲットユーザーが合っていない場合があります。リスティング広告、ディスプレイ広告それぞれ下記の施策を実施しましょう。

 キーワードやターゲティング設定が、商品・サービスのターゲットとマッチしているのか確認し、ズレが生じている場合は早急にキーワードやターゲティング設定が必要です。また日頃の広告配信実績を見て、曜日ごとに配信の強弱を付けることも手法の一つです。

5.フォームの見直し・改善

 Webサイトやランディングページから商品購入やサービス申し込みを行う場合、ユーザーはあらかじめ用意されたフォームに購入者情報を記載します。このフォームの見直しや改善もCPAを下げるためには重要です。

 フォームまで到達したものの、入力項目が多いとユーザーとしては入力が面倒になり購入や申し込みまで至らず離脱してしまうケースもあります。必須項目をすべてなくす必要はありませんが、あまりにも項目が多い場合は機会損失につながってしまうので、必要最低限に留めましょう。

CPAを改善するために知っておくべき5つの指標

 CPAの改善を行うため、関連する以下5つの指標を理解しましょう。

  1. クリック数(Click)
  2. クリック単価(CPC)
  3. コンバージョン率(CVR)
  4. インプレッション数(Impression)
  5. コンバージョン数(CV)

 それぞれについて、簡単に紹介します。

1. クリック数(Click)

 クリック数(Click)は、広告がクリックされた回数を指します。クリック数(Click)=Webサイトやランディングページへの来訪ユーザー数になるので、クリック数(Click)が少ない場合は、広告文やクリエイティブでユーザーの興味喚起を行えていない可能性があります。

 定期的に広告文やクリエイティブを見直し、しっかりとクリックされているか確認しましょう。

2. クリック単価(CPC)

 クリック単価(CPC)は、広告が1回クリックされるごとに掛かる費用を指します。クリック単価を確認するためには以下の式を用います。

  • クリック単価= 広告費 ÷ 広告のクリック数

 クリック単価が安くなるほど、広告予算を抑えられます。しかし闇雲にクリック単価を安くしても効果は上がりません。運用型のWeb広告は入札制のためクリック単価を抑えようとすると、入札負けを引き起こし、広告が十分に露出されないこともあります。

 クリック単価が下がれば、CPAも下がりますが広告の露出量も減ってしまうことがあることを念頭に置いて広告戦略を練りましょう。

3. コンバージョン率(CVR)

 コンバージョン率(CVR)は、Webサイトやランディングページへの来訪ユーザーのうち、「商品購入」や「サービス申し込み」などコンバージョンに至った件数の割合を指します。コンバージョン率を確認するためには以下の式を用います。

  • コンバージョン率 = コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100%

 コンバージョン率は、Webサイトやランディングページが上手く機能しているかの判断において、重要な指標です。

 広告のクリック率は高いがコンバージョン率が低い場合、Webサイトやランディングページがユーザーにとって必要な情報を掲載しているかなど見直しましょう。

4. インプレッション数(Impression)

 インプレッション数(Impression)は、広告が表示された回数を指します。インプレッション数が多ければ多いほど、ユーザーに向けて広告を露出できている状態です。ターゲットユーザーへの広告のインプレッション数を効率的に増やす際には、以下の施策を実施しましょう。

  • リスティング広告のキーワードマッチタイプを変更する
  • 広告予算を増額する
  • 広告の品質を上げる

 CPAを改善する以前に、広告のインプレッション数が少ない場合は最初に着手し、広告の露出を増やすことが重要です。

5. コンバージョン数(CV)

 コンバージョン数(CV)は、Webサイトやランディングページ上で来訪ユーザーが「商品購入」や「サービス申し込み」など特定のアクションを達成した回数を指します。

 CPAの改善を図るには、限られた広告予算の中でコンバージョン数の獲得最大化を図る施策が求められるので、意識して広告運用に取り組みましょう。

まとめ

 CPAの改善方法について紹介しました。CAPが悪化してしまう要因はターゲットの不一致・CVRの低下・競合他社の影響と多岐にわたります。状況を分析して、要因を特定し、CPC軸・CVR軸で改善方法を実践し検証することが重要です。

 CPAに関連する指標の動きも着目し、どこを修正すべきなのか優先順位をつけて取り組みましょう。安易に広告予算を抑えることはコンバージョンの減少につながるので得策ではありません。今回紹介した改善方法を一つひとつトライ&エラーで取り組み、CPAを改善することで、効率的にコンバージョンを獲得できるようにしましょう。

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この記事の著者

マーケ研究所(マーケケンキュウジョ)

 マーケティングに関する情報を調べ、まとめて届けています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/11/13 00:00 https://markezine.jp/article/detail/47193

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