獲得やリピートを促す顧客基盤が整った
――iropを立ち上げてから半年以上が経ちますが、現在までの成長をどのように評価していますか。
高橋:売上に関してはまだまだこれからですが、LINEの友だち登録者数は大きく増加しており、購買やリピートを促せる顧客基盤が整ってきたことは高く評価しています。
デジタル広告で獲得をしているだけでは、CPAとの戦いが続き、広告予算も膨れ上がる一方です。しかし、THE [ ] STOREでのポップアップストアのように新たなタッチポイントを活かしながら、新しい訴求軸を見つけ、オンラインのサービスも改善していく。この半年以上の期間で新たな展開へのヒントがたくさん得られました。
――これまでのホーユーのビジネスとは異なる、パーソナライズD2Cのブランドを立ち上げてみての気づきや学びはありますか。
高橋:ヘアカラーをはじめ、美容・化粧品領域でのパーソナライズ診断はトレンドになってきています。しかし、診断結果を見て他ブランドの商品を買うケースがあるなど、診断結果を見た後にどうiropの商品を使ってもらうかを考える必要があります。この半年を通じてパーソナライズ診断の有効的な活用法を探れたのは良い学びでした。
加藤:パーソナライズを事業者目線で考えると、組み合わせの多さなどを売りにしがちですが、iropを立ち上げから携わって感じたのは、お悩みに寄り添える存在になることが大切ということです。カラーケア商品をいきなり提案しても響きませんが、髪色に関するお悩みをベースに提案すると興味関心を持ってもらえたり、サービスを使ってもらえたりします。THE [ ] STOREの出店でも、診断を通じてお悩みに応える説明や提案ができたからよかったので、寄り添うパーソナライズを大切にしたいです。
カラーケアの文化を定着させる
――最後にiropの今後の展望を教えてください。
高橋:今後は、THE [ ] STOREの出店で得られた知見を活かした体験を設計していきたいです。設立当初はデジタルマーケティングの知見を貯めてきました。その結果LINEの友だち登録者数は増えていますし、登録から購入までのシナリオに沿ったステップ配信も着実に効果を上げています。
そのため、今後ポップアップストアのようなオフライン施策はもちろん、ヘアサロンのスタイリストの方経由で髪色ケア診断を紹介いただくなど、他のオフライン接点からLINEに誘導していく取り組みを行いたいです。購入はオンラインが基本になりますが、そこへの誘導をオンライン・オフラインともに強化していきたいと考えています。
加藤:カラーケアを文化として根付かせる活動をしていきたいです。化粧品などは、肌色や肌質などのお悩みに合わせて最適なものを使い分けています。それと同じように、カラーしている方であれば全員がカラーケアを使えるものとして認識を変えていきたいと思います。
その結果、ヘアサロンで仕上げた髪色を長く楽しめるようになれば嬉しいです。