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ヘアカラーのホーユー発のD2C子会社「イロップ」、その拡大戦略とは

iropの成長を支えたプロモーションの軸とは?

――iropの提供を開始したのは2024年4月からですが、立ち上げ以降注力してきたプロモーションについて教えてください。

高橋:大きく2つあって、1つはUGCを駆使したデジタル広告です。ヘアカラーは、ビフォーアフターを見せることができるため、わかりやすい訴求が可能です。そして、ビフォーアフターをブランドが直接伝えるよりUGCを通じて伝えたほうがより価値を実感してもらえると考えました。

 そこで、インフルエンサーの方やターゲットとなる方へのサンプリングなどを通じてUGCの発生を促しました。また、投稿時のハッシュタグを共通化し、ソーシャルリスニングツールを駆使して投稿内容を把握したり、反響の大きい投稿を分析したりました。分析で得られた要素を参考に、UGCを広告で二次利用させていただくことで、広告の効果を最大化しました。

 もう1つ注力したのは、LINEを活用したコミュニケーションです。髪色ケア診断をLINEから無料で行えるようにすることで、ターゲット層とのつながりを増やし、ステップ配信などを駆使してCRMを行い、購入につなげています。

――UGCの活用が良い結果を生んでいるとのことですが、効果的なUGCを生み出すためのポイントはありますか。

加藤:インフルエンサーを起用したPR投稿だと予算に限界があるので、モニターの方に商品を無償で提供し、その中で送られてきた箱を開けるところからビフォーアフター、商品の組み合わせに関するUGCをInstagramにアップしてもらっています。この、リアルに使ってもらう様子を投稿してもらうことが重要です。

株式会社イロップ 加藤 槙子氏
株式会社イロップ 加藤 槙子氏

 また、インフルエンサーやモニターのInstagramのフォロワー数、エンゲージメントより、フォロワーがターゲット層に合致しているかを重要視しています。フォロワー数が少なくても、ターゲット層に合致していれば長くお取り組みさせていただき、ターゲットに合ったUGC創出を実現しています。

オンラインで伝えきれない魅力はオフラインで補完

――UGCを駆使したプロモーションとLINEのCRMでユーザーを拡大してきたiropですが、2024年7月にはSUPER STUDIOと三井不動産が「RAYARD MIYASHITA PARK」にて展開する「THE [ ] STORE(ザ・ストア)」にポップアップストアを出店しましたね。その背景を教えてください。

高橋:THE [ ] STOREに出店した理由は大きく2つあります。1つはカラーシャンプーの認知率が低かったこと、そしてもう1つはカラーシャンプーを使用するきっかけ作りをしたかったからです。

――THE [ ] STOREではどのような体験・サービスを提供したのでしょうか。

加藤:LINEの友だちになっていただくことをKPIにしていたので、髪色ケア診断をして、Instagramをフォローしてくださった方にオリジナルのトリートメントコームをプレゼントしました。また、夏の暑い時期だったので、来店者全員にオリジナルドリンクを提供しました。

 これらの体験の中で、店舗スタッフがiropの概要、商品の説明、診断結果の解説などを行いました。さらに店頭キャンペーンとして商品を限定価格で提供しており、来場者のうち約10%の方は購入もしてくださいました。

THE [ ] STORE出店の様子
THE [ ] STORE出店の様子

――購入にもつながったとのことですが、THE [ ] STORE出店の反響はいかがでしたか。

高橋:1,000名強の方が来場し、その内のほとんどがLINEの友だち登録をして髪色ケア診断をしてくださったので、KPIであるLINEの友だち登録数は十分と言える成果が得られました。

 また、オフラインならではの気づきも得られました。たとえば、これまでオンラインでまったく売れていなかったカラーの商品が売れており、オンラインでは伝わりづらい仕上がりのイメージがオフラインというリアルな接客の場を通じて伝わったことが要因だとわかりました。

 この結果は髪色ケア診断のロジックを変えるきっかけとなりました。リアルな接客を通じて、各色をどのように訴求したら良いのかお客様の解像度が高まったので、実施して良かったです。

次のページ
獲得やリピートを促す顧客基盤が整った

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/02/05 08:00 https://markezine.jp/article/detail/47349

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