マスメディア×デジタルメディアで、話題の最大化を狙う
MarkeZine編集部(以下、MZ):今回は三菱自動車工業「デリカミニ」のX活用事例について伺います。最初に、デリカミニが抱えていた課題について教えてください。
阿久澤(三菱自動車工業):デリカミニは、4WD車であるデリカのDNAを受け継ぎながらも「カッコかわいいデザイン」と「使いやすさ」が武器の軽スーパーハイトワゴンです。アウトドアでも日常でも、おしゃれに子供と出掛けたくなる車をコンセプトとしており、小さな子供がいる30~40歳代の家族をターゲットとしています。
2023年5月の発売から2年目を迎え、マスコミュニケーションによって一定の認知は獲得できていましたが、30~40歳代の認知の底上げと、若年女性の認知向上が課題でした。2024年の夏にデリカミニの新作CMの放映開始が決まっており、そこに合わせてコネクテッドTVやSNSなど、ターゲットと親和性の高いデジタルのメディアも掛け合わせたメディアミックスで、話題喚起の最大化を狙おうと考えました。
MZ:デジタルに着目した理由は何だったのでしょうか。
阿久澤(三菱自動車工業):若年層はどうしてもテレビ離れが進んでいることもあり、若年層との親和性が高いデジタルやSNSなどを効果的に活用することで認知の向上を図れると思い、テレビCM×デジタル施策の両輪で施策を実施することを意識しました。
Xを統合プロモーションに活用、その背景は?
MZ:今回、プロモーションにXを活用した背景を教えてください。
阿久澤(三菱自動車工業):SNSも多くの種類がありますが、ユーザーの数が多く、拡散性が高く、かつ純広告枠におけるリーチの強さがあることからXの活用に着目しました。またXであれば、短期間で多様な広告が行えるため、施策の垂直立ち上げもしやすい点も挙げられます。加えてXは、話題化と親和性が高いと思うのですが、リポスト機能などでユーザーが自ら気軽に発話できるという点で、拡散効果が最大化できると思ったため検討しました。
MZ:デリカミニのマーケティング施策をどのように設計したのでしょうか。
島田(Hakuhodo DY ONE):話題喚起をすることによって、軽スーパーハイトワゴンの定番車という位置付けを確固たるものにしたいと思いました。話題化できるものを考えたとき、ユーザー自らが発話できるSNSが浮かびました。
特にXはユーザーの能動的な発話が多く、発言量としても最大化を狙えます。今回はコミュニケーションの軸の一つとして、デリカミニの化身である「デリ丸。」を据え、Xと連携して「トレンドテイクオーバープラス」「ブランドアニメーション」に取り組むことになりました。