“インハウスマーケティング”といえばビズリーチ
有園:ビズリーチは広告の運用を内製化しており、デジタルマーケティング業界では「インハウスといえばビズリーチ」と話題になることも多いです。今回は、インハウスの体制を貫く理由やメリットなどをお聞きしたいと思います。まずは、それぞれのポジションや業務内容について教えてください。
八木:スカウト型の転職サイトを運営するビズリーチ事業では、マーケティング活動において、転職を検討する個人や、企業の経営者や人事部門のご担当者など採用に携わる企業にご登録いただくことを目指しています。私はその中でも、法人を対象としたマーケティング部の責任者を務めています。加えて、首都圏の中小企業向け営業組織の責任者も兼務しています。元々は事業企画の経験が長く、それを生かしてビジネスマーケティング部の立ち上げから携わっています。

手塚:2020年に中途入社し、営業組織を経て、3年半ほどビジネスマーケティング部で働いています。現在はディスプレイ広告の運用を担当し、プラットフォーマー各社と連携して広告効果の向上に取り組んでいます。加えて、建設業や製造業など、これまで当社のサービスと親和性が低いと思われていた業界へも認知が広がるように注力しています。

事業拡大のために最適な体制を構築
有園:ビズリーチでは、創業当初からインハウスマーケティングを実践してきたそうですが、なぜインハウスを貫いてきたのでしょうか。
八木:創業当初は中途採用市場において、スカウトサービスがまだ一般的ではありませんでした。チャレンジャーとして、あらゆる手段を講じて会員を増やすための施策を実行し、高速でPDCAを回すことが必要でした。そのため、まずは自社でいかに早く、コストを抑え、たくさんの施策を実行できるかに振り切ったのです。
有園:そのスタンスは現在も変わっていないのですか。
八木:事業規模が大きくなったとはいえ、まだまだチャレンジャーだと思っています。これまでの施策の延長ではなく、新しいことにチャレンジしていくためにも、自分たちで素早くPDCAを回し続ける組織でありたいと考えています。
有園:広告代理店と一緒に取り組む場合も、新しいチャレンジができないわけではないと思います。あえて自社でやることを選んでいる理由は何でしょうか。
八木:当社には、事業やマーケットの解像度を高めながら、お客様に何を届けるべきなのかを、徹底的に考えてきたという自負があります。外部の専門家の方に入ってもらうメリットも大きいですが、まずはお客様やマーケティングについて考え続けてきた自分たちだからこそできる施策があると思いますし、スピード感をもって着手することを重視しています。
一方で、絶対にインハウスだけでやり続けると決めているわけではありません。運用の再現性が高まり、型化されたことを最大化するフェーズでは、他に適した方法を選ぶこともあると思います。事業拡大のために最適な方法を選択することこそが重要であり、そのための手段としてインハウスを選んできたのです。