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人起点の顧客関係構築を考える

1,100万人の健康を支える「あすけん」はユーザーファーストを貫くCRM戦略で生涯の伴走者を目指す

 記録した食事や運動から、管理栄養士が監修した、自身に合ったアドバイスが受けられる食事管理アプリとして、累計1,100万人以上(2024年9月時点)が利用する「あすけん」。その成長を支えているのは、ユーザー一人ひとりに寄り添うCRM戦略です。あすけんは、どのように顧客の声を収集し、サービスに反映しているのでしょうか?選び直せるソーシャルギフト「GIFTFUL」を運営する飯髙悠太氏が、asken取締役の天辰次郎氏と同コンシューマー事業本部本部長の福井千尋氏に、ユーザーファーストを貫く独自のCRM戦略についてインタビューしました。

【期間限定無料公開】この記事はプレミアム記事(有料)です。本来ご利用にはMarkeZineプレミアムのご契約が必要ですが、2025年2月7日(金)~21日(金)の間、期間限定で無料公開しています。この機会にぜひ、プレミアムなMarkeZineのサービスをお楽しみください。MarkeZineプレミアムにご契約いただくと、すべての有料記事が読み放題になります。

累計会員数1,100万超のサービスになるまで

――まずは「あすけん」をリリースしようと思った背景について教えてください。

天辰:askenは、グリーンハウスが100%出資する子会社として2007年に設立されました。グリーンハウスは、国内外約2,700ヵ所でフードサービスを展開し、栄養指導のプロフェッショナルである管理栄養士・栄養士が約2,000人在籍する「食と健康の提案型企業」です。

株式会社asken 取締役 天辰 次郎氏
株式会社asken 取締役 天辰 次郎氏

 当時、2008年からスタートする特定保健指導へのニーズが高まるのではないかと予測し、長年培ってきた栄養指導のノウハウを活かして法人向けに新たな事業を展開しようと考えたのが、あすけんの始まりです。

 しかし、当時はガラケーが主流の時代。健保の担当者やビジネスパーソンにインタビューしたところ、毎食の写真送信が必要、つまり大量のパケット通信料がかかってしまうサービスは利用が難しいことが判明しました。そこでPC版サービスを開発しましたが、当時は、対面での特定保健指導が義務付けられており、また「健康経営」という概念も浸透していなかったため、普及には苦戦しました。

――そこから、どのようにコンシューマー向けサービスへと転換していったのでしょうか?

天辰:きっかけは、営業用に作成していたWebサイトでした。まずは体験してもらうために、期間限定で個人向けの会員登録フォームを用意しており、登録してくれたユーザーさん向けにPC版サービスを提供していました。「食事のカロリー計算をするダイエット」が当時流行していたことから、「カロリー計算」といったキーワードでリスティング広告を出稿したところ、多くのユーザーが流入した経緯があります。

 2013年に満を持してスマートフォンアプリをリリースしたところ、PC版のユーザーさんのおかげで多くのダウンロードを獲得。ダイエットを目的とした20~30代女性を中心に会員数が増加し、2024年3月には累計会員数1,000万人を突破しました。

インタビューとデータ分析で顧客の声をサービスに反映

―― これまで、どのようなマーケティング活動を行ってきたのでしょうか?

天辰:サービス開始当初から、ユーザーインタビューとデータ分析に力を入れてきました。ユーザーさんの声からサービス改善のヒントを得られることは非常に多いですね。

 たとえば、ユーザーさん同士がコミュニケーションを取れる「みんなの日記」という機能があります。インタビューを通してわかったことは、初期ユーザーの多くがSNS初心者だったことです。サービス開始当時40代だった方の中には「人生で初めて利用したSNSがあすけんのみんなの日記だった」という方もいました。自分の投稿に反応があると利用意欲が高まり、ロイヤルユーザーになってくれるケースが多いです。

 一方で、「活発なコミュニティに新たに参加するハードルが高い」という意見を受け、入会時期が近いユーザーが表示される機能を開発しました。

あすけんダイアリーのフォロー画面です
現在、「入会時期が近いユーザー」「似ているユーザー」「平均健康度が高いユーザー」が自動表示され、フォローできるようになっている

 ユーザーさんの想定外の利用方法から生まれた機能もあります。あすけんは本来、ユーザーさんが入力した1日3食分(プレミアムサービス会員は1食ごと)の食事や運動などの記録に対するアドバイスを受け取るものです。しかしユーザーさんの中には、先に食事内容を入力し、高得点になるよう調整してから食事を用意する、という使い方をしている方がいました。そこで、1週間後まで食事の予定を入力できる機能を追加しました。

――食べる前に食べたいものをあすけんに入力し、栄養バランスを確認してから食べる、ということですね。

福井:そうです。朝と昼の食事を入力した後、夜に食べていいカロリーや栄養バランスを確認してから、夕食のメニューを決める、という使い方をしている方も多いようです。

天辰:かつて、夕方頃にシステムメンテナンスを行うと「夕食のメニューを決めることができなくなる」というお問い合わせが寄せられることもありました。

――それほど熱心なユーザーが多いんですね。データ分析の結果は、どのように機能に活かしていますか?

福井:直近で言うと「入会後3日以内に何品目の食事メニューを登録したユーザーの継続率が高くなっているのか」などの分析を行い、「ユーザーに早期にサービス価値を実感してもらう」ことを目的に、アプリのプッシュ通知などを活用し、最適なタイミングでメッセージを届ける戦略設計に取り組んでいます。


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この記事の著者

飯髙 悠太(イイタカ ユウタ)

株式会社ベーシック執行役員、株式会社ホットリンク執行役員CMOを経て2022年6月に「ひとの温かみを宿した進化を。」をテーマに株式会社GiftXを創業し、「おもいが伝わる。ほしいを贈れる」選び直せるソーシャルギフト「GIFTFUL」運営。現在、企業のアドバイザーやマーケテ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

堤 美佳子(ツツミ ミカコ)

ライター・編集者・記者。1993年愛媛県生まれ。横浜国立大学卒業後、新聞社、出版社を経てフリーランスとして独立。現在はビジネス誌を中心にインタビュー記事などを担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/07 08:30 https://markezine.jp/article/detail/47824

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