ネオマーケティングは1月16日、「定額制サービス」をテーマにインターネットリサーチを実施した。
「映画・ドラマ・アニメ動画配信」「音楽配信」の認知率、ほぼ全世代で50%以上
まず、サブスクサービスの認知率を調べたところ、「映画・ドラマ・アニメ動画配信」「音楽配信」の上位2項目は、ほぼ全年代で50%以上の認知率になり、年代による偏りは見られなかった。
性別ごとに見ると、男性の場合、全体を通して30代におけるサブスク認知率が低い傾向が見られるが、唯一「ゲーム」は37.0%で全年代の中でトップに。一方、女性の場合は男性と比較し20代のサブスク認知率の低さが目立った。中でも「本・雑誌・漫画・オーディオブック」の認知率は29.0%となり、全年代でワーストとなった
また、今回の結果を2022年のものと比較してみると、上位4項目において順序に変化は見られなかった。
しかし、2022年にランクインしていた「美容」「家事代行」に代わって新たに「教育」「家・ホテル」がランクイン。特に「家・ホテル」に関しては、コロナ禍にあった2022年から約2年がたち、旅行に行く機会が増えたことで、認知が高まったと考えられる。
利用経験率は20代と60代で20pt以上の差に
続いて、各サブスクサービスの利用経験率を調べた。すると、ほぼ全年代で50%以上の認知率を有していた「映画・ドラマ・アニメ動画配信」「音楽配信」ですら、利用経験率となると年代ごとに大きな差が生じる結果に。男女ともに20代が最多で、60代とは20pt以上の差が生じた。
特に「音楽配信」は、認知率の高さに対し40代~60代女性の利用経験率は10%台と低さが目立った。
また、今回の結果を2022年のものと比較すると、上位6項目の順序自体に変化は見られなかった。しかし、「映画・ドラマ・アニメ動画配信」は35.0%から41.0%に、「音楽配信」は22.9%から25.7%と2022年よりも各項目の利用経験率が全体的に微増していることから、2年間でサブスクサービスが浸透していることがわかる。
音楽配信の満足度は、20代と50代がともに95%以上
続いて、各サブスクサービスの満足度を調べた。「映画・ドラマ・アニメ動画配信」では20代の満足度が94.7%で最も高い結果に。しかし高い満足度を全体的にキープしながらも、年代が上がるにつれて少しずつ満足度が下がっていく傾向が見られた。
「音楽配信」でも、20代の満足度が最も高く96.3%となった。ただ、音楽配信の場合、50代も95.2%でほぼ同等の満足度を記録した。
また、それぞれ2022年の調査と比較したところ、今回は2022年調査よりも「映画・ドラマ・アニメ動画配信」「音楽配信」ともに年代による満足度の差が小さくなっていることがわかる。
この2年間で、新旧作品含めサブスクのコンテンツが充実したこと、ユーザー側のスタンスの変化していると推察される。
映像系と音楽のサブスクに満足している人は、「コンテンツや機能の充実度」に最も満足
次に「映画・ドラマ・アニメ動画配信」と「音楽配信」で、「とても満足」「やや満足」と回答した人に具体的に満足しているポイントを聞いた。
その結果、両サービスとも、「コンテンツや機能の充実度」「価格」「コンテンツや機能の品質」がTOP3になる一方、「サポート体制」がワーストという結果だった。
このことから、映像系と音楽のサブスクに満足している人は、現状のサービス価格に見合うだけ充分に使い込めていると考えられる。
利用率の高いサービスと解約率の高いサービスは相関関係
続いて、過去にサブスクサービスを解約したことがある人に対して、解約したことのあるジャンルを尋ねた。
その結果、「映画・ドラマ・アニメ動画配信」が36.4%で最多に。2番手である「音楽配信」と10pt以上もの差をつける結果となった。なおこれは、サブスクサービスの利用経験率と項目の順序が一致。利用者が多いほど解約率が上がっていることがわかる。
性年代別で見ると、サブスク利用経験率の高さも関係してか、多くのジャンルにおいて20代・30代は解約経験率が高い傾向に。一方で50代・60代では低めの結果となった。
そんな中、「音楽配信」に関しては60代の解約経験率が29.6%となり、20代・30代と同程度の高さだった。これは、音楽配信の場合、シニアも若者と同じようにサブスクを気軽に始めたり辞めたりといった“リテラシー”をもっているということが想定できる。
「ゲーム」コンテンツはサービスの乗り換えが少ない傾向に
最後に、サブスクサービスの解約後に別サービスに切り替えたことのあるジャンルを調べた。すると、TOP3が「映画・ドラマ・アニメ動画配信」「音楽配信」「本・雑誌・漫画・オーディオブック」とエンターテインメント・コンテンツが上位を占めた。
また、性年代別で見ると、特に20代・30代はサービスのスイッチに積極的な傾向に。一方で、同じくエンターテインメント・コンテンツの一つである「ゲーム」は、全体で2.3%にとどまった。
他のエンターテインメント系のサブスクとは異なり、ゲームの場合、他のサービスにスイッチするために辞めるというケースが比較的少ないことがわかる。
【調査概要】
方法:ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施対象:全国の20歳以上の男女
有効回答数:1,000人
実施日:2024年12月6日(金)~2024年12月9日(月)
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