脳を休めたい、気分・感情をコントロールしたいのは「10代」がトップ
では、どんな消費者がこういった価値を望んでいるのでしょうか? DDDの「心が動く消費調査」から生活者の意識を紐解くと、興味深い発見がありました。
まず、「脳を休めたいと思うことがよくある」という項目を紹介します。「全体」で61.7%の方が「そう思う」と回答しており、男性10代、女性10~40代でトップボックスが高い傾向です。とりわけ男性10代では、「そう思う(計)」で84.4%という高いスコアになっています。
全体 性年代別:脳を休めたいと思うことがよくある

全体 年代別:脳を休めたいと思うことがよくある

次に、「脳のパフォーマンスを高めたいと思うことがよくある」は全体で68.6%の人が「そう思う」と回答。すべての性年代で「そう思う」が多数派ですが、中でも10代男性が49.0%、10代女性が39.6とトップボックスが突出して高い結果となりました。「脳のパフォーマンスを高める」ことへの関心は、大人よりも、男女10代のほうが高いようです。

以上の2つの項目から推察するに、10代は最も頭が疲れていて、かつ、最も脳のパフォーマンスを向上させたいというニーズを持っていることになります。当然受験勉強が大変な年代ではあるのですが、それにしても高いスコアです。
「思考停止」していても、最適解にたどり着きたい?
そんな10代にはどのようなサービスが適しているのでしょうか。あまり頭を働かせず、ある意味「思考停止」していても、最適な解を示してくれるサービスに興味があるのではないかと推察できます。
少し脱線しますが、パーソナライズサービスに関係のある意識項目を2つご紹します。
「自分に合うものを教えてくれるサービスに興味がある」は、「そう思う(計)」が全体で56.4%ですが、男性10代が69.8%、女性10代が75.8%と突出して高いです。また、「自分で物事を決めるよりも他人に決めてもらう方が好きだ」も、「そう思う(計)」が全体では32.7%ですが、10代が男女ともに最も高く、男性10代が54.2%、女性10代が53.8%と半数を超え、年代が上がるごとに低くなるという傾向になっていました。

自分に最も合う最適解を教えてくれるパーソナライズサービスは、10代にニーズがあることを示しています。
これは、もしかすると“脳疲労”に関係があるのかもしれません。子供のころからスマホがあって脳を休める暇がなく、さらに、AIにレコメンドしてもらうことに慣れている世代ならではの結果といえるのではないでしょうか。