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令和を生きるガールズたちのインサイト&トレンド速報

脱ストイック時代!女の子に広まる、ちょい甘な暮らし。

キャラクターも人気なのは「ゆるゆる系」

 これらのトレンドから「等身大に、できる範囲で“ゆるストイック”に生きたい」というインサイトが見えてきます。

 ストイックに頑張り抜ける人はもちろん凄いけれど、できるときにできる範囲で頑張るだけでも十分偉い。「自分に甘くたっていいじゃない」と、自分の“甘さ”を認めてあげる風潮が高まっている印象があります。ストイックを追い求めすぎて辛くなるよりも、自分への甘さを残してポジティブな気持ちでい続ける。若者中心に広がる「自分で自分を認めてあげる」考え方がさらに拡張された結果と言ってもよいでしょう。

 このインサイトと関連するのが、究極の美の先駆者として一部の層から熱狂的な人気を誇る「アレン様」です。アレン様は“他責思考でいい”“やりたい放題生きていい”といった発言をし、生きづらさを感じている若者から熱い支持を得ています。これまで出版した3冊の著書も話題になり、書店やECの人気ランキングで上位を獲得してきました。

 アレン様が発信する「自分が過ごしやすい生き方」は、インフルエンサーのような完璧でストイックな生活を理想とする風潮に対して、無意識的に息苦しさを覚え始めていた女の子たちに深く刺さったのでしょう。

 また、同様のインサイトはキャラクターコンテンツの領域からも読み取れます。ちょっと肩の力を抜いた生活をする「アイシナモロール」、健気だけど大抵うまくやりきれない「おぱんちゅうさぎ」、何事もゆるい包容力で受け入れる「パペットスンスン」はどれも、そのメッセージ性が女の子たちに共感されています。ゆるく適度に暮らし、自分や他人の“甘さ”を受け入れているテイストのキャラクターに人気が集まっているのです。

 キャラクターには特に、「頑張ろうという気持ちを持っているだけで偉い!」くらいの、癒しに近い優しさが求められる時代なのかもしれません。

「ストイックorゆるゆる」を自由に選択できる時代に

 今後の未来予想としては、徹底的にストイックに生きるのも、ゆるく適度に頑張るのも、どちらの生き方も女の子たちから認められ、両方良いものとして残っていくと推察します。さらに、その時々でいつでも自分のスタンスを気軽に変えてよいという、モチベーション・フレキシブルな考え方が広まるでしょう。自分のストイック具合に沿うサービスや商品、遊び方や働き方を、より柔軟に選べる時代が来るかもしれません。

 また、こういったスタンスがさらに浸透すると、コントロールが難しい、いわゆる「どうしようもない」事由として、“体調”以外に“気持ち”も認められる社会が来るかもしれません。ホルモンバランスの乱れや、精神・発達の関係で気持ちへの影響をともなう人はもちろん、そういった状態にない人のシンプルな“気分と紐づくモチベーションのムラ”までもが受け入れられるようになる可能性すらあります。昨今既に薄れつつある“身を粉にして頑張り抜くことこそ美徳”といった考え方に縛られない人がもっと増えていくでしょう。

 こう書くと社会への影響を懸念する方もいるかもしれませんが、“頑張りたいときもあれば頑張りたくないときもある”といった、モチベーションのムラは誰にでもあります。きちんとしなければならない最低ラインを見極めながら、各々が自分に合うペースで理想を追求できる社会が実現したら、とても素敵な未来がやってくると思います。

電通GIRLʼS GOOD LABは、「女の子」のインサイトに特化して研究をする社内横断チームです。女の子たちがいいね!と思える社会を作るべく活動しています。毎月気になるトレンドをお届けしていきますのでお楽しみに!

本記事のイラストは、電通グラレコ研究所が描いたものです。電通グラレコ研究所は、グラフィックレコーディングを 中心としたビジュアライゼーションサービスの提供と研究を目的とする電通グループ横断チームです。

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この記事の著者

飯野 朝美(イイノ アサミ)

株式会社 電通 第8マーケティング局 マーケティング・コンサルタント

ストラテジックプランニングセクションにて、戦略領域をメインに担当。 社会やターゲットのインサイトを感性的に捉える右脳的なプランニングと、 データを活用した左脳的なプランニングの掛け合わせを武器に、ティーン・ミレニアル世代・女性向けコミ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/06/12 09:30 https://markezine.jp/article/detail/48378

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