TBWA HAKUHODOは、Omnicom Advertising Group(OAG)のカルチャーユニット「Backslash(バックスラッシュ)」が発表するグローバルトレンド予測レポート「EDGES 2025」の日本語版を無料で公開した。

Backslashは、同レポートで世界各国の時代の価値観やカルチャーシフトをリサーチし、国内外の企業・ブランドに新たな戦略のヒントを提供。TBWA HAKUHODOでも、同ユニットの洞察をもとに情報発信を行っている。
今回のレポートのテーマは「想像から実装へ」。社会課題が深刻化する今、バズや理想論にとどまらない「どう実装するか」の具体解を提示している。2024年版が「構想フェーズ」だったのに対し、2025年版は事業やサービスを実際に動かすための設計図を示す「実装フェーズ」といえる。
同レポートでは計39の文化的潮流を分析しており、その中で「Eco-Realism(エコリアリズム)」「Maturity Paradox(成熟のパラドックス)」「Transparency Receipts(透明性の証明書)」の3つが新たな主要なトレンドとして提示された。
Eco-Realism
「Eco-Realism」は、持続可能な社会を築く環境対策が理想だけでなく実行フェーズへ移行していることを示している。その実装例として、TBWA HAKUHODOがプランニングした「GREEN JOURNEY」プロジェクトがある。このプロジェクトでは、日産自動車・日本旅行など官民14団体が参加し、EV移動と鉄道のハイブリッド交通や再エネ由来充電網の整備などを通じて、旅程全体で平均20%以上の排出削減を達成した。
Maturity Paradox
「Maturity Paradox」は、年齢と人の成熟度は必ずしも一致しない社会になっていることを指摘。子どもはより早く大人になろうとし、大人たちは若さを楽しみたいと考え、年の取り方も人により様々で、新しいニーズが生まれてきている。 実装のヒントとして、子ども向けエグゼクティブコーチが挙げられている。
Transparency Receipts
「Transparency Receipts」は、情報の信頼性が揺らぐ時代で、製造過程・サプライチェーンの透明性や企業の社会的責任に注目が集まっていることを示した。利用者や消費者に「真実」を示すための仕組み作りが、今後のブランド信頼を左右する要素になる。 実装のヒントとして、C2PA対応のメディア運用、CO₂可視化ラベルが挙げられている。
前年から継続するトレンドとしては「Neo-Collectivism(ネオコレクティブ)」と「Odd-ysseys(奇々怪々なトレンド)」があり、それぞれリアル空間のコミュニティや共同体に回帰する現象や、主要観光地ではない地域を深掘りする旅行形態の台頭を示している。
「EDGES」レポートの価値は、単なるトレンド要約に留まらず、企業やブランドが、将来的な事業機会を見出す上でどのエッジを捉え、どの問いを立てるかが重要になると、同社は指摘する。同レポートの日本語版は、TBWA HAKUHODOのウェブサイトから無料でダウンロード可能だ。