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イベントレポート

飲む人も、飲まない人も。アサヒビール「スマドリ」2025年の戦略と、N1の声を活用する取り組みとは

より深い顧客インサイトを発見するための「スマドリラボ」とは

 「スマドリ」に関する取り組みの一つに、2024年5月に開設されたファンコミュニティ「SUMADORI-LAB.(以下、スマドリラボ)」がある。同コミュニティはSUMADORI-BAR SHIBUYAの来店者や「スマドリ」の考え方に共感する人などコア層を主な対象としており、様々な意見やアイデアを通じて得られたインサイトを商品や企画開発に活用する共創型の取り組みだ。

 コミュニティ運営に携わる電通デジタルの須藤氏は、スマドリラボの立ち上げについて「元々、SUMADORI-BAR SHIBUYA設立の背景にターゲット層の声を聞く場を作るという目的がありました。より深く声を取り入れお客様と共創するためのコミュニティとして、スマドリラボをスタートしました」と説明した。

 スマドリラボでは、お酒を飲む人・飲まない人の声をはじめとした定性/定量データを取得し、施策のプランニングやメニュー開発などに活用。SUMADORI-BAR SHIBUYAに関する情報の発信と文化の醸成・拡大を目的に、コア層を主としたファンや来店者が楽しめる場所として運営している。メンバーは2025年4月現在160名ほどとなり、20代~30代が多いものの、40代以上の参加者もおり若年層以外の需要も発見できたという。

左:株式会社電通デジタル  CXプロデュース室 コミュニケーションプランナー 水藤彩佳氏、右:株式会社電通デジタル CXプロデュース室 プロデューサー 須藤純正氏 スマドリ株式会社とともにスマドリラボの運営・設計などを担当する
左:株式会社電通デジタル CXプロデュース室 コミュニケーションプランナー 水藤彩佳氏、
右:株式会社電通デジタル CXプロデュース室 プロデューサー 須藤純正氏
スマドリ株式会社とともに、スマドリラボの運営・設計などを担当する。

テストマーケティングなどに活用し、インサイトを収集

 スマドリラボで得られたファンのインサイトの集合からコンセプトを膨らませる形で、新規メニューの開発や施策設計など様々な形で落とし込む。スマドリラボの具体的な取り組みは、大きく以下の3つとなる。

(1)オンラインでの定期投稿による情報発信やコミュニケーション
(2)限定イベント
(3)テストマーケティング

 (1)オンラインでの定期投稿では、「春の新商品で気になるものは?」などの質問でファンのリアクションや意見を集め、ニーズの可視化や商品開発に活かす。(2)限定イベントでは、実際に店舗で提供するカクテルメニューの開発や試飲会などをリアルの場で開き、参加者の意見をもとにブラッシュアップを実施した。

 (3)テストマーケティングにおいては、展開する施策の反響などを図る場として活用。たとえば、方針発表会で公開されたポップアップイベント#SUMADORI Meの「オリジナルカクテルワークショップ」のテストの場として、同コミュニティを活用した。お酒を飲めない参加者からは「ゼロからカクテル作りができる機会がはじめてだったので楽しめた」と意見が出るなど手応えがあり、全国展開のコンテンツに踏み切った。

 「コアファンの方にいいポイントを言語化いただき、法的な面などメーカーとしてNGな部分以外は基本取り入れる方向を探るスタンスで商品開発を行っています。これまでも、夏のカクテル開発でコミュニティメンバーと共同で作ったメニューの売り上げが定番メニューを抜く人気ぶりを見せるなど、成果につながっています」(水藤氏)

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「ノンアルをアルコールの入った飲料だと思っていた」⁉思いがけないN1の声も

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この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/04/22 07:30 https://markezine.jp/article/detail/48745

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