Webメディアと転職サービスのハイブリッド型で展開

採用や転職サービスを中心に、定着活躍支援や教育評価事業、HRテック事業、テクノロジーを活用した採用活動など、様々なプロダクト・サービスを展開するエン・ジャパン。そのなかでも、中長期的な注力事業と位置付けているのが、ダイレクトリクルーティング領域だ。白石氏は20〜30代の優秀層に特化した転職サービス「AMBI(アンビ)」を例に、メディアの取り組みを紹介した。

「AMBIは、『社会は、仕事で変えられる。』というタグラインで展開している、若手優秀層に特化した転職サービスです。競合がひしめく業界のなかで、ユーザー数は150万人を突破し、選ばれるサービスとしての地位を築けているのではないかと思っています。AMBIの大きな特徴は、Webサイトがメディアと転職サービスのハイブリッド型になっている点です。メディアでは、経済産業事務次官の飯田氏、千葉県知事の熊谷氏といった政府/自治体、日本郵船などの大手企業や外資系企業に取材し、どういった人材を求めているのか、若手優秀層がどういった活躍をされているのかといったことを聞いています」(白石氏)
Webメディアには、オリジナルの記事を月間25〜30本ペースで掲載し、累計1,500本ものコンテンツを蓄積。そのうち約半数がインタビュー記事で、若手優秀層に響く情報発信を行っている。求職者であるユーザーはもちろん、求人する企業や団体にも喜ばれる記事である理由は、その職務の理念や求める人物像をより深く理解しやすいことだ。
企業の志やパーパスを伝え、共感したユーザーとマッチングを
AMBIのターゲットである若手優秀層が抱える仕事の悩みは、「このまま今の仕事を続けていてもいいのか」「自分は誰のため、何のために働いているのか」といったものが多い。働きがいを大切にする価値観が広まり、自身の納得感が高い仕事を求めるようになってきているためだ。そのため、「すぐに転職したいわけではなく、良いところがあれば転職したい」と考え、職種転換も視野に入れ様々な業種や職種を見ている。
彼らにとって重要なのは、企業の志やパーパス、存在意義に共感できることだ。世界観やサービスは信頼できるのか、使いたいものなのか、といったことを非常に重視している。
一方、求人を出す企業側も、存在意義や大切にしている考え方、価値観、志、ビジョンなどを求職者にわかってもらえないという課題を持っている。共感を持ってもらえなければ、せっかく学歴や能力、年収の高い求職者を採用しても、すぐに辞められてしまう。なかには、会社のことを深く理解しないまま面接に来るケースもあるという。そうしたことから、企業も「条件だけでなく、考え方がフィットする人材と出会いたい」という想いを持っているのだ。
「そうした市場の変化や課題に応えるため、AMBIはセグメントやポジショニングにこだわって運営しています。求職者と企業のマッチング精度を高めるというコンセプトのもと、企業のブランドや信頼感を伝える記事を発信しています。非常に成熟したマーケットなので、目の肥えたユーザーや企業の方々に支持されるWebメディア、コンテンツになっているかが重要です」(白石氏)