テレビCMの影響を受けるモバイル検索ユーザー
下記の図1は、ある特定の日のGoogle急上昇ワードである。特筆すべきはピンク地の2か所だ。
5月17日に急上昇している“gree.jp”は、グリー株式会社が運営するSNS「GREE」であるが、タレントの岸部四郎氏を起用し携帯モバイルゲームを推したテレビCMを5月17日より開始した。下記のGoogle急上昇ワードに“gree.jp”が含まれているのは、そのCMを見た後に、“gree.jp”というワードでユーザーが検索を行ったものと考えられる。
これはCM上で“greeで検索”や“グリーで検索”などの演出をしていなかったため、CM上で表示されていたURLが検索ワードとして使われていたことが分かる。直接URLを入力することにより簡単にサイトへアクセスできるが、Google急上昇ワードに“gree.jp”がランクインしていることから、URLの直接入力よりも検索行動の方が一般的になってきていると考えられる。
6月23日に急上昇している“バイトル”は、ディップ株式会社が運営するアルバイト情報サイト「バイトルドットコム」である。携帯GPSでのバイト検索を推したテレビCMを6月中旬より開始しており、CMの最後に検索窓が表示され、“バイトル”で検索を促す演出がされている。
最近では、このようにCM上で検索窓を表示し、検索を促す手法は一般的になってきている。博報堂と博報堂DYメディアパートナーズが実施した調査によると、検索窓を表示するCMは表示しないCMに比べ検索数が2.4倍になったという結果も出ており、効果が高い手法であるといえる。
さらにその中でも、携帯向けサービスのテレビCMの影響は大きいと考えられる。その理由として、過去3か月間のGoogle急上昇ワードを調査したところ、いわゆる“○○で検索”のワードで急上昇していたのはいずれも携帯向けサービスのテレビCMの関連ワードであった。
具体的には、前述の“gree.jp”、“バイトル”の他にKDDI株式会社が運営する着うたサービス「LISMO」の“サザン解禁”“祝サザン”のワードがGoogle急上昇ワードの上位に表示されていた。携帯向けサービスのテレビCMを見た多くのユーザーが、携帯で検索していると考えられる。
この急上昇ランキングはPC・モバイルの区分けがされていないため混ざった結果になっていると考えられる。