「1日5分」でOK。インハウス化が急激に進んだ理由
━━実際に、広告運用自動化ツール「Shirofune」を活用したインハウス化はどのように進められたのでしょうか?
笠原:メディケア生命さんの場合、既に代理店さんが運用していた実績があったので、それを踏襲した形でスタートしました。まずは代理店さんの運用成果を超えることを第一目標に設定し、2つの商材でテストを実施。ある程度数字の改善が見られてきてからは、次のステップとして、予算内でどれだけ獲得数を増やすか、どの指標を改善していくかなど、一緒に目標値を決めさせていただきました。打ち手のご提案もするのですが、あくまでも石垣さんの方で舵を取っていただきながら支援する形式で取り組んできましたね。
初期設定や計測についてはしっかりとサポートさせていただきましたが、配信後は「Shirofune」の画面右側に出てくる「改善カード」の内容を見ながら、石垣さんとチームの皆さんでご対応いただくことがメインになっています。

笠原:これにより、代理店にお任せしていた業務をすべて引き受ける必要はなく、最終的な判断だけを行っていただく形にできました。
また、そもそも広告主様は、広告に使うキーワードに対して「このキーワードは、顧客にとって本当に良いキーワードとして機能した上でコンバージョンをしているのか」といったことを、代理店以上に理解できると思います。つまり、「改善カード」の提案に対しても、精度の高い判断ができるのです。これがCPA改善の要因の一つだと考えています。

石垣:毎日夕方にチーム3人で5分だけ集まって「改善カード」を見ながら「これをやろう」「これはやめよう」と話し合っています。代理店さんから月1回の報告を受けるだけだと前の月の話を忘れてしまいがちなのですが、毎日5分なら負担もかからず、全員が常に進捗を把握している状態も作れています。チームでコミットできる環境が作れたことで、継続していこうという判断になりました。
インハウス化がもたらしたCPAの改善
━━インハウス化にあたり、社内で反対はありませんでしたか?
石垣:「インハウス化すると忙しくなって業務が回らなくなるんじゃないか」と心配はされました。ただ、トライアル期間を経て本格運用の報告をする際も「5分でできるので問題ない」ことを強調しましたね。
━━インハウス化による成果はいかがでしたか?
石垣:Shirofune導入から4ヵ月ほど経った頃に、前代理店さん時代より良い数字が出始めました。CPAは以前の70%まで減少(30%削減)するなど改善し、その後さらに良いペースで配信できており、継続的に成果が向上しています。また、自社内のチームで運用することで、広告運用の「自分ごと化」ができていると感じます。