2025年7月29日、サイバーエージェントのAI事業本部は、AIを用いて配信中の広告クリエイティブ表現の傾向や偏りを可視化する「極多様性プロット」を開発し、Meta広告への対応を開始したと発表した。
「極多様性プロット」は、広告クリエイティブ表現の偏りを視覚的に把握することで、まだアプローチできていない潜在層に向けた新たな広告表現の発見をサポートする。
同社が提供する「極予測AI」と組み合わせて活用することで、幅広いユーザーに合わせた多様な訴求表現のバリエーションによる広告制作が可能となり、広告効果の一層の向上が期待できるとしている。

開発の背景には、インターネット広告業界でAIによる配信アルゴリズムが高度化し、多様な趣味や嗜好を持つユーザー群へ幅広くリーチできる広告クリエイティブのバリエーションが重要視されている状況がある。Metaが「多様なクリエイティブの活用」を推奨していることもあり、広告主や広告代理店にも広い視点での表現が求められている。
「極多様性プロット」を用いることで、たとえば「若年層向け」「価格訴求」など現在のクリエイティブが特定の切り口に偏っている場合に、その傾向を可視化できる。これにより、「中高年層向け」や「品質訴求」など、これまで試してこなかった表現パターンへの着目を促せるようになる。
事前の先行テストでは、コンバージョン数が180%に伸長し、CPAが約半分になるなど広告効果の改善が確認されたという。今後は「極多様性プロット」に対応する広告媒体の拡張や、「極予測AI」との組み合わせによるさらなる広告効果の最大化を目指していく。
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