憧れを自分らしく。“映え”で日常をアップデートする女の子たち
今月のテーマは、「日常の中にある“映え”のNEWトレンド」です。
“映え”といえば、非日常感・見栄えの華やかさを表すイメージが強くありましたが、数年前から、日常の中に溶けこんだより自然な形へと進化しています。今回はそんな“映え”の新たなトレンドと、そこからわかるZ世代のSNSとの付き合い方・価値観のいまを紹介します。
そもそも“映え”とは、Instagramの普及とともに「SNSでシェアしたくなるようなフォトジェニックさ」としての意味で広まり、2017年に『インスタ映え』がユーキャン新語・流行語大賞を受賞して以降、広く使われる言葉となりました。
そんな“映え”の対象が、ここ数年で大きく変化しています。
これまでは、ナイトプールやフェス、イルミネーション、カラフルな原宿スイーツなど、写真で写した時にインパクトのある非日常的なモノやコトが主流でした。しかし、『BeReal.』『Vlog』といった近年のトレンドに象徴されるように、日常自体がコンテンツ化され、“映え”の対象はより日常に落とし込まれたものとなっています。以下、具体事例を交えて、各トレンドをご紹介します。
タイパの逆張り?編み物が一部界隈でブームに
最新映えトレンド1:「NOTタイパ」
1つ目は「NOTタイパ」映えです。
その代表的な事例が『編み物』。韓国アイドルグループLE SSERAFIMの日本人メンバーSAKURAさんがSNSで編み物をしている様子を投稿したことを発端に、日本でも一時100円ショップの手芸コーナーの商品が品薄になるほど、女の子たちの間で編み物がブームになりました。編み物以外にも、針や糸を使わずにモールでオリジナルのぬいぐるみをつくる『モールドール』や、ポーチやストラップなどの雑貨に自分の好きなワッペンを組み合わせて貼り付ける『ワッペンワーク』などの手軽に楽しめるハンドメイドグッズも注目を集めています。
このトレンドの背景には、Z世代特有のタイパ意識が関係しています。プライベートな時間までもタイパが付きまとう時代だからこそ、あえて既製品を使わずに、手間をかけながらも自分だけのアイテムを手作りすることに、希少価値としての“映え”を感じるのです。