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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

今どきシニアの消費行動大解剖

終活にかかる総額は平均約503万円!シニア世代の嗜み「終活」市場の可能性を読み解く

デジタル終活という新しい課題

 終活の新しい領域として注目すべきは「デジタル終活」です。今回の調査の「終活の認識」の中で、「パソコンやSNSデータの整理」「デジタル登録情報の整理」というデジタル終活が存在感を増し、現代終活の複雑さを象徴していました。

 パソコンやSNS、スマホのパスワードや契約情報の管理は、家族間でも把握しづらい領域。「亡くなったあとに迷惑をかけたくない」という思いがあるものの、実際には誰に相談すればいいかわからない人が多いのが現状です。

 この“見えないデジタル終活”は、信頼性やセキュリティと直結するため、提供できるプレーヤーは限られています。しかし裏を返せば、そこにこそ強いニーズがあります。金融機関、保険、ITサービスなどが連携し、デジタル資産の管理・整理をサポートできれば、新しい市場が形成される可能性は大きいでしょう。

未来の終活は“生活の習慣”になる

 「終活」という言葉には、“終わる”だけでなく、“始める”という視点も含まれています。生活者の声に耳を澄ますと、それは「死の準備」ではなく「生きかたの再設計」であることがわかります。

 そして、これからの終活は「特別な準備」ではなく、「日常の延長」に組み込まれていくという見立てです。暮らしの中で自然と「減らす」「見直す」「始める」が繰り返され、その循環自体が終活となっていきます。

 モノを減らしたら新しい趣味を始める、年賀状をやめたら余白の時間で健康投資を考える。やめる→余白ができる→新しい挑戦、という循環が人生後半に何度も訪れるのです。これは「無意識終活の習慣化」であり、終活が生活に根づいた姿です。

 ビジネスにとっては、“幕引きサービス”から“未来を創るサービス”へと広がる大きなチャンス。この前向きかつ無意識な行動を可視化することで、終活市場は今後ますます拡張し、明るい成長を遂げていくことでしょう。

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この記事の著者

梅津 順江(ウメヅ ユキエ)

ハルメク 生きかた上手研究所 所長

2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを行い、誌面づくり・商品開発・広告制作の糧になるインサイトをつかんでいる。時代や世代も捉えて、半歩先の未来も予測している。著書に「消費の主役は60代 シニア市場最前線」(同文舘出版)な...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/09/19 07:30 https://markezine.jp/article/detail/49686

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