ユーザーの熱量を捉える「界隈」ターゲティングの強み
MZ:「alpaka」を活用することで、なぜTikTok広告の効果を改善できるのでしょうか?
松野(フリークアウト):「alpaka」はシンプルに表現すると、「熱量の高いユーザーに高精度で広告を届け、成果を最大化するツール」です。通常、SNS広告はデモグラフィックや興味・関心データでセグメントされますが、本当にアプローチしたいのは「まさに今、その商材に関心を持っている人」、そして「まさに今、関心を持ち始めそうな人」です。ここには時間軸の視点が欠かせません。
さらに、SNSにおける興味関心は行動履歴だけで単純に測れるものではなく、ユーザーが属する多様なコミュニティ(界隈)の重なり合いから立体的に見えてきます。alpakaはその“界隈”のつながりを捉えることで、精度の高い配信を実現しています。

松野(フリークアウト):たとえば興味関心が「料理」の人も、本格的な自炊が好きなのか、お弁当作りに役立つ情報を収集したいのかでニーズはまったく異なりますよね。「alpaka」では投稿(UGC)の内容やハッシュタグから「界隈ごとのニーズ」を捉え、関連投稿に直近で「いいね」等のアクションをしているユーザーに対して広告配信を行う仕組みを構築しています。小さなコミュニティの積み重ねから必要なリーチを確保していく──いわば、トップダウンではなくボトムアップ型のアプローチなのです。

「界隈」を発見する2つの機能と独自技術
MZ:ハッシュタグを通じてブランドにマッチした界隈を見つけていくのは「alpaka」ならではの特長ですね。どのように投稿を分析しているのでしょうか。
松野(フリークアウト):「alpaka」独自の2つの機能を活用しています。1つは、「ハッシュタグディスカバリー機能」。訴求商材と関連性が高い数百・数千の投稿群のなかから、AIが広告のリーチと効果改善を両立できるハッシュタグを見つけ出し、分析・抽出・集積していく機能です。もう1つは、「トレンドターゲティング」。配信期間中や「その日」に流行っているハッシュタグ・コンテンツを見つけ出し、自動でオーディエンスに追加して、広告配信することができます。これによって毎日トレンドが目まぐるしく入れ替わるTikTokでも、流行に敏感な層の取りこぼしを防止します。この2つの機能をミックスさせて活用することで、「alpaka」ならではの効果の高い広告配信を実現しています。
MZ:その高精度なターゲティングを支えている、alpaka独自の技術についても教えてください。
安里(フリークアウト):「alpaka」は、これまでプラットフォームの行動データでは捉えられなかった、あいまいで流動的な「界隈」を投稿コンテキストなどから構造化し、プラットフォームに存在しない文脈的な新しいセグメントを作り出しています。

安里(フリークアウト):それを可能にしているのが「界隈クラスタリング」という技術です。「界隈クラスタリング」では、動画・ハッシュタグ・文章・発信クリエイターやタイムスタンプといったTikTok投稿にまつわるデータを膨大に取り込み、AIを組み込んだ多層的なクラスタリング手法によって「界隈」というクラスターに分類します。さらに生成AIを用いてトレンドを加味したラベリングを行い、人間が直感的に理解できる形に変換します。
界隈の規模・将来的なスケール余地・ニッチ度まで定量分析でき、それを広告ターゲティングに直結できるのが、「alpaka」ならではの優位性です。副次的には、界隈を代表するクリエイターも可視化できるため、広告だけでなくギフティングやインフルエンサー起用の判断にも活用できます。