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MarkeZine Day 2025 Autumn

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元Meta執行役員が挑む「悩み」起点の新広告。MAU1,300万人の『ユビーAds』の可能性

 月間1,300万人以上が利用する症状検索エンジン「ユビー」を展開するUbie。同社は2025年4月、新たに広告事業「ユビーAds」を本格始動させた。牽引するのは、Meta社で日本の執行役員営業本部長を務めた近藤克尚氏だ。生活者から許諾を得て取得した症状・疾患などのデータを活用した広告配信は、Cookie規制が進む広告市場においてどのような可能性を秘めているのか。ユニークなターゲティング広告の背景や強み、今後の展望について聞いた。

MAU1,300万人のメディアを抱えるヘルステック企業の挑戦

MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに、Ubieが掲げているミッションや、展開しているサービスについて教えてください。

近藤:Ubieは「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」というミッションのもと、2017年に医師とエンジニアで創業したヘルステック企業です。情報社会の現代でも、医療における情報の非対称性は高く、患者や医療従事者へ十分に行き届いていないのが現実です。Ubieはそんな状況をテクノロジーの力で変え、医療先進国の日本から、世界中の医療に貢献していくことを目指しています。

 代表的なサービスは「症状検索エンジンユビー」および「ユビー病気のQ&A」で、どちらも生活者向けのメディアです。「症状検索エンジンユビー」は入力された症状に応じて、疾患の可能性や受診すべき医療機関を案内するサービスで、主に医療機関を受診する前の患者さん向けのものとなります。一方、「ユビー病気のQ&A」は主に医療機関受診後の患者さん向けに、特定の疾患における検査内容、治療方法、副作用等の情報を提供しているサービスです。また、「ユビー」のコア技術である問診エンジンを活用し、医療機関や製薬企業向けのBtoBサービスも展開しています。

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MZ:「症状検索エンジンユビー」と「ユビー病気のQ&A」は月間でどのくらいの方に利用されているのでしょうか。

近藤:「症状検索エンジンユビー」は月間利用者数700万人、「ユビー病気のQ&A」は月間利用者数600万人、あわせると月間1,300万人ほどの方々にご利用いただいている、大規模な医療・ヘルスケア関連メディアです。

Ubie株式会社 広告事業本部 営業統括 近藤克尚氏
Ubie株式会社 広告事業本部 営業統括 近藤克尚氏
楽天グループのLinkShare Japanにて、アフィリエイト広告、リスティング広告の営業・運用に携わり、その後パートナーアライアンスを担当。2014年7月より動画広告プラットフォームTubeMogul(現Adobe)にて、主にブランド向け動画広告の営業・運用に従事。2016年5月にFacebook Japanに参画。執行役員 営業本部長を務める。2025年4月より現職。

パーソナライゼーション広告は本当に“悪”か?元Meta執行役員営業本部長の問い

MZ:生活者向けメディアを軸に展開されてきたUbieですが、2025年4月に新たな広告事業「ユビーAds」を始動されました。この挑戦にはどのような背景があったのでしょう。

近藤:「症状検索エンジンユビー」や「ユビー病気のQ&A」は生活者の方へ無償で提供しているサービスだからこそ、今後も事業を継続していくためにはマネタイズが必須です。医療機関・製薬企業だけでなく、さらに広いカテゴリーの企業様と協業していくために、Ubieならではのヘルスケア領域のデータを、Web広告に活用するマーケティング支援事業を立ち上げました。

MZ:近藤様はMeta社にて、日本での執行役員営業本部長を務められたご経験をお持ちですよね。なぜ、新たにUbieでヘルスケアデータを使った広告事業に挑戦しようと思われたのですか。

近藤:テクノロジーで医療を変えようとしているUbieなら、私のこれまでのデジタル領域での経験を、まったく新しい価値として提供できるのではないかと思ったからです。

 Metaでは約9年間、多くの広告主様と向き合い、デジタル広告の可能性と課題の両方を見てきました。なかでも私が担当してきた領域はパーソナライゼーション広告。Cookie規制や個人情報保護などの世論の高まりを受け止めつつも、個人的には「興味関心に基づく広告配信は本当に“悪”なのか?」という問いを持ち続けています。

 情報があふれる現代だからこそ、適切にデータを用いて一人ひとりに合った情報をお届けすることは、ユーザーにとっても大きな価値を持つのではないでしょうか。Ubieが抱えるデータはセンシティブなものですが、それはユーザーの具体的な「悩み」そのものです。だからこそ、その悩みに的確に応える情報を、まさに必要としているタイミングで「医療迷子」の方にお届けできると考えています。せっかく「ユビー」に訪れたなら、情報を「閲覧して終わり」にせず、その後の「行動」に移していただきたい。「ユビーAds」が少しでもその後押しになれたらと願っています。

「ユビーAds」とは?独自セグメントを解説

MZ:改めて、「ユビーAds」のサービス概要や強みについて教えてください。

近藤:「ユビーAds」は、「症状検索エンジンユビー」「ユビー病気のQ&A」を利用するユーザーが入力した症状や悩みに基づいて、関連性の高いWeb広告を配信するサービスです。配信面は外部の情報メディアやニュースサイト、ポータルサイト、コネクテッドTV等となります。強みは他社にはない独自のセグメントです。ユーザーの健康状態に関する深い情報をもとにターゲティングできる広告商材は、唯一無二ではないでしょうか。

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MZ:強みであるセグメントについて、具体的にはどんなものがありますか。

近藤:セグメントは大きく分けると「症状セグメント」「関連疾患セグメント」の2つとなります。

 「症状セグメント」はユーザーが自己申告した症状に基づいたセグメントですが、特筆すべきはその粒度です。たとえば「お腹が痛い」という症状ひとつとっても、上下左右、お腹のどのあたりが、どのように痛いのかによって考えられる疾患は変わりますよね。「ユビー」では症状を深掘りしてヒアリングするので、そうした粒度の細かいデータを広告セグメントとして活用できるのです。

 「関連疾患セグメント」は、症状のヒアリングをもとに「関連性が高い」と判定された疾患名を活用するセグメントです。

 なお、当然ながら広告活用しているのは事前にユーザーから同意を得られたデータのみとなります。プライバシーポリシーの範囲内で管理・運用していますのでご安心ください。

製薬企業からスポーツジムまで…広がるユースケースと成果

MZ:実際にどのような企業が、どのような目的で「ユビーAds」を活用しているのでしょうか。

近藤:現状、お問い合わせやご発注が最も多いのは製薬企業様です。直接的に薬の販促ができない処方薬の場合は、疾患にまつわる啓発サイトへ誘導するかたちで活用いただいています。啓発サイトへ誘導する場合、KPIは主にページ内の読了率や病院検索ボタンのクリック率。とある製薬企業様では、他社配信と比べ「ユビーAds」配信のほうが、読了率やクリック率が高かったというお声もいただいていますね。

 もちろん製薬企業様以外にも、「トクホ」製品を展開されている健康食品メーカー様や、乳酸菌関連の企業様、保険企業様、スポーツジム様まで幅広くお問い合わせやお見積もり依頼をいただいている状況となります。

MZ:既に幅広い領域での活用が期待されているのですね。スポーツジムと「ユビーAds」は一見関連性が薄く見えますが……どのように活用するのでしょう。

近藤:ユニークな例ですよね。「ユビー」ではユーザーに身長・体重データをヒアリングしていますので、そこからBMIも計算することが可能です。「ユビーAds」でBMIデータを活用できると紹介したところ、スポーツジムを展開するブランド様からご相談いただくに至りました。

 このように、「ユビーAds」はヘルスケア領域を超え、広く「健康関連産業」でお役に立てるサービスだと考えています。「特定の悩みをもつユーザーへピンポイントに情報を届けたい」という課題がある企業様は、ぜひお問い合わせいただきたいです。

オンラインで完結しない「受診」などの行動変容も測定へ

MZ:「ユビーAds」の効果検証で何か特徴的な部分はありますか。

近藤:「ユビーAds」では今後、広告配信したユーザーに対して事後にアンケートを取ることによって、オンラインで完結しないアクションについても測定できるようにしていく予定です。たとえば広告主が製薬企業の場合、「広告に接触したユーザーが医療機関検索を行った後、実際に病院を受診したのか」なども気になるポイントかと思います。広告によって行動変容が起きたのかどうかを示すことができると、より広告主の皆様にも使っていただきやすいのではと考えています。

 また「ユビーAds」をブランディング目的でご利用いただいた際にも、外部の効果計測パートナーと連携はもちろん、ブランド認知や購買意向などの調査をできるようにすることで、効果の可視化ができると思っています。

拡張配信でマスリーチも。まだまだ進化を続ける「ユビーAds」の展望

MZ:「ユビーAds」の今後の展望や、さらなるサービスの展開について教えてください。

近藤:「ユビーAds」は2025年4月にサービスインしたばかりですので、まだまだ進化の途中です。企業様やユーザーの声を受けながら、より一層「ユーザー一人ひとりに合った情報が提供されるサービス」へと進化していきたいと考えています。健康状況は日々変化していくものですので、直近では、「数ヵ月以内」「数週間以内」といった症状データの登録タイミング別にセグメントできる機能を追加開発し、2025年9月からサービスに搭載しました。

 また、今後はUbieが持つ精緻なデータを元に、よく似た特徴を持つユーザーへ広告を届ける「拡張配信」も活用いただきたいですね。「ユビーAds」が持つ1,300万人のデータは強力ですが、この方々と似た興味関心を持つ「潜在層」をWeb上で見つけ出して広告を配信すれば、より多くの人にアプローチできます。これにより、特定の悩みに応えるだけでなく、幅広い層へのブランド認知向上にも活用いただけるようになります。

 加えて、「ユビー」のメディア内での広告掲載についても、企業様からよくご要望をいただくため、前向きに検討中となります。実現すれば、「ユビー」内外で特定ユーザーに対する広告配信ができるようになるかもしれません。

MZ:最後に、「ユビーAds」を検討するマーケターや代理店に向けてメッセージをお願いします。

近藤:「ユビーAds」はアイデア次第で様々な活用余地があるサービスですし、我々がまだ思いついていない発想もきっとあると思っています。「もっとこんな使い方ができる」というアイデアがあれば、ぜひ教えてください。みなさまとご相談させていただきながらサービスを磨き、ユーザーへの提供価値を高めていきたいと考えています。また一緒に「ユビーAds」を作っていく仲間も募集しています!ご興味ある方、是非ご連絡ください。

ヘルスケア領域の広告配信で課題を感じている方へ

 「ユビーAds」で広告出稿を検討される際、どういう方にどんな情報を届けたい等の詳細をいただければ配信セグメントなども含めたお見積りを作成させていただきます。お気軽にお問い合わせください。

 「ユビーAds」の詳細・お問い合わせはこちらから

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この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Ubie株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2025/09/30 11:00 https://markezine.jp/article/detail/49859