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注目マーケティングトピックス2025

J-WAVEに学ぶ「ラジオマジック」――進化した現代にこそ発揮される「不完全さ」ゆえの独自価値とは

 デジタル技術の進化と多様なプラットフォームの台頭により、メディアの「境界」が曖昧になる現代。その中で、ラジオ媒体は独自の価値を再構築しています。J-WAVEは中期経営計画「BEYOND THE WAVES」のもと、既存の枠組みを越える変革を推進中です。現代にこそ生きてくるラジオの価値と、その源泉について、J-WAVE 取締役 コンテンツクリエーション局長の森田太氏とナビゲーターのハリー杉山氏に話をうかがいました。

既存の「境界」を越えていく――J-WAVEのコンテンツ戦略

MarkeZine:J-WAVEは2025年10月に大きな番組改編を実施されました。コンテンツ戦略において、どういった点を意識されているのか、お聞かせいただけますか?

森田:J-WAVEは、中期経営計画のビジョンとして「BEYOND THE WAVES~境界を越えて、新たな共鳴を~」を掲げています。これは「ラジオ」という従来の枠組みを越え、SNSや各配信プラットフォームなどのデジタルメディアとも融合していく姿勢を示すものです。

 ラジオならではのコミュニティを基盤にしつつ、イベントなどフィジカルな収益構造を作ったり、radiko・YouTubeと連携し全国・全世界へのアプローチを強化したりと、ビジネスモデルやラジオの在り方から見直し、自ら既存の境界を越えていこうとしています。

J-WAVE 取締役 コンテンツクリエーション局長 森田太さん
J-WAVE 取締役 コンテンツクリエーション局長 森田太さん

 そうした拡張のタイミングだからこそ重視しているのが「J-WAVEの原点」です。J-WAVEの「WAVE(波)」には、新しいトレンドや現象を生み出すという意味合いがあります。私たちは1988年の開局当初から世界のカルチャーや音楽をJ-WAVEらしく電波に乗せ、東京の新たなカルチャーを作ってきました。

 「原点進化」を合言葉に、ラジオの境界を越えていくことで、新しい波を作り出す力はこれまでより大きくなるはず。新たなラジオの形を探りながら、コンテンツ面ではJ-WAVEらしさを追求していきたいと考えています。

MarkeZine:原点を見つめ直す変革期にあるのですね。ハリーさんは2011年からJ-WAVEでナビゲーターを務めていらっしゃいますが、「J-WAVEらしさ」をどのように感じていますか?

ハリー杉山:子どもの頃から聴いていますが、J-WAVEはシンプルにかっこいいですし、おしゃれでスタイリッシュですよね。

 一方、ナビゲーターとして関わるようになってから感じているのは、ラジオには「温もり」や「優しさ」があり、また四方に広がる無限の可能性があるということ。ラジオを起点に日常生活ではきっと交わらないであろう人やモノが出会い、人生を豊かにする知恵やアイデア、癒しがどんどん広がっていきます。それらを受け入れる柔軟性が、J-WAVEのアイデンティティなのではないでしょうか。

ハリーさん
ハリー杉山さん(衣装協力:MORLES)
東京生まれ、イギリス育ち。イギリス人の父と日本人の母を持つ。 日本語、英語、中国語、フランス語の4か国語を操る卓越した語学力を持ち、 司会、リポーター、モデル、俳優などマルチに活躍。2013年に英国大使館より「食の親善大使」に任命され、2023年には東京都より「東京都観光大使」に任命された。 主な出演番組は、CX「ノンストップ!」、TBS「世界ふしぎ発見!」、TX「東京GOOD! TREASURE MAP」、NHK BS1「ランスマ倶楽部」、J-WAVE 「POP OF THE WORLD」、J-WAVE「MIDDAY LOUNGE」など多数。

 そして何より、ラジオは「心」に対してのアプローチが深く様々な感情やストーリーを生み出す力を持っています。私はテレビやYouTubeなどにも出演していますが、街中で声をかけてくれるのは、圧倒的にラジオリスナーが多いんですよ。テレビやYouTubeのほうがリーチ力は高いはずなのに、不思議ですよね。

 きっと、ラジオには「数値」では測れない「心の近さ」があるのだと思います。私も「リスナーです」と言われた瞬間に、なぜか警戒心を解いて、距離が近くなってしまいますから。

森田:それはまさに、いわゆる「ラジオマジック」ですね。ラジオにはそういう不思議な力があるんですよ。

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人間のプリミティブな欲求を満たせる、ラジオへのニーズの高まり

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2025/11/21 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50094

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