データ分析で終わらせない。施策をやり切るには、分析の「前」と「後」が重要
「感動」という捉えどころがない感情を、データサイエンスで可視化してきた丸亀製麺。丸亀製麺におけるデータサイエンスの存在意義を尋ねると、間部氏は「勝ち続けるために必要だから」と即答する。
「店舗に一度来ていただき、瞬間的に売上を上げることは、まぐれ当たりでも起こり得ることです。重要なのは、再現性をもってそれを継続できるか――そのために仮説が必要なのであり、私たちはデータ分析による“アンサー”を見出さなければなりません」(間部氏)
ただ、データ分析に100%の正解はない。丸亀製麺ではこの前提に立ち、どう意思決定するかを先に決めておくことを徹底しているという。「この分析は何のためなのか、何の意思決定に使うものなのか、何をもって解釈・判断するのか」を事前に決めておく。つまり、「分析結果が出てから考える」のではなく「結果を見て事前に決めていた判断軸で意思決定を行う」のが丸亀製麺流だ。
こうした丸亀製麺の意思決定までのポイントをサイカが提唱する6ステップになぞらえて体系的に表現すると、このような8ステップになる(図6)。
データ分析それ自体だけでなく、その前後にある「仮説の言語化」「関係者との共通理解づくり」のステップが成否を分けるポイントと言えるだろう。サイカ高木氏は、8ステップの中で特筆すべき点を次のように話す。
「丸亀製麺は、ステップ(7)で『打ち手の仮説』を事前に立てているからこそ、分析結果をスピーディーにアクションに移せるのだと思います。これは業種に関わらず、データ分析プロジェクトを実施する企業にとって、非常に参考になるポイントです」(高木氏)
ちなみに間部氏は、ステップに出てこない大切なポイントとして「タイミング」も挙げる。必要なときに分析結果がなければ、活用するタイミングを逃し、せっかく得られた分析結果が無駄になってしまう。社内を巻き込んでいくには、決められた日時までに必要な分析結果をしっかり揃えるといった、関係者間での信頼の蓄積も大切であるということだ。

データで可視化できるものがこれだけ増えたにも関わらず、不確実性は高まっている現代、最善策を取るためにデータを活用する場面はますます増えている。そうした中、ベストな意思決定を行うには、マーケターの感性をもとに仮説を立て、データサイエンスを掛け合わせて意思決定を行うことが大切だ。感性とサイエンスが噛み合ったとき、マーケティングの勝率は向上していく。
データ分析のポイントは、事前の仮説立てや意思決定のプロセスづくりにある。丸亀製麺の強さの理由は、表からは見えないところに隠れている。
ビジネスにおけるデータ分析の8ステップを学ぶなら
ステップ(7)へとスムーズに繋げるためにも、まずは本書が提唱する6つのステップで分析の軸を固めることが重要です。明日から活用できる具体的なノウハウを学びたい方は、ぜひお手に取ってご一読ください。

