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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

事例を通して見る世界のマーケティング/ブランディングのトレンド

楽しみから義務としての「美しさ」へ。データと先進ブランド事例にみる価値観の変化

美しさの民主化。それが生み出す競争

 先述のように、美しさは生まれつき決まるものではなく、努力によって近づけるものだと考えられるようになっています。スキンケアや食事、運動、睡眠など、日々の積み重ねによって自分を整えられるという考え方が広がったことで、美しさは以前よりも多くの人に開かれたものになりました。

 しかしその一方で、美しさが「頑張れば手に入るもの」と見なされるようになったからこそ、その達成度は人と比べられやすくもなりました。努力で変えられると思われるほど、美しさを得られないことが、自分自身の努力不足のように感じられやすくなるからです。こうして美しさは、前向きな目標であると同時に、不安の原因にもなりやすくなっています

 事実、調査では42%の人が、見た目への不安の要因として「インフルエンサーやSNS」を挙げています。SNSは理想的な姿を日常的に見せ続ける場であり、人との違いを意識させやすい環境でもあります。その結果、社会の中で共有される美のスタンダードは、以前よりも高くなりやすくなっています。

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 さらに、この競争は誰にとっても同じ条件で開かれているわけではありません。77%の人が「お金のある人のほうが美しくなりやすい」と答えているように、情報が広く手に入るようになっても、それを実践するために必要な時間やお金には差があります。つまり、美しさは努力によって近づけるもののように見えながら、実際には経済的な条件にも大きく左右されているのです。

 このように、美しさは以前より多くの人に開かれた一方で、比較や不安、不平等を生みやすいものにもなっています。そこに、現代の難しさがあるのかもしれません。

「美しさを売る」から「美しさを支える」へ

 本記事では、最新の調査データをもとに、現代における「美」のあり方を見てきました。そこから見えてきたのは、大きく二つの変化です。

  1. 美しさは健康へ:見た目を飾ることから、心身のコンディションを整えることへと意味を広げている。
  2. 美しさは格差へ:個人の好みを超えて、社会的な印象や成功、さらには比較や格差にも関わるものになっている。

 現代の美しさは、もはや単なる「見た目」の話ではありません。健康や自己価値、社会的成功、さらには階級差までを含む、一種の“社会資本”になりつつあります。そのため、美しさには健康や自分らしさを支える前向きな面がある一方で、比較や不安、競争を生みやすい難しい面もあります。

 そしてブランドは、この変化に深く関わっています。理想の美しさを示すことで人を前向きにする一方で、それが「目指すべき基準」として広がれば、プレッシャーを強めてしまうこともあるからです。これからのブランドに求められるのは、ただ美を売ることではありません。一人ひとりが自分なりの“最適な自分”を見つけ、無理なく続けていけるような道具や選択肢を提供することではないでしょうか。

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この記事の著者

北市 卓史(キタイチ マサシ)

HAVAS JAPAN 株式会社   Executive Director

営業職をベースに、国内と海外にて広告代理店の会社/新規事業立ち上げに従事。2022年より世界149カ国にオフィスを展開する広告代理店であるHAVAS社の日本法人の現職に就任。多様性のある職場や働き方、他国オフィスとのオペレーシ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/03/25 08:00 https://markezine.jp/article/detail/50562

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